ウェッジ(wedge)とは?
ウェッジ(wedge)とは、
FX・及び投資全般でのチャートパターンのひとつです。
言葉の意味としては「くさび」ないし「くさび形」という意味があり、
進むにつれて先端がすぼまっていく(尖っていく)形のチャートパターンを指します。
トレンド継続型パターンとして「ウェッジ・コンティニューション」と呼ぶ場合もあります。
ウェッジ(wedge)には、
くさび形の後に価格が上昇する「上昇ウェッジ」と
くさび形の後に価格が下降する「下降ウェッジ」があり、
トレンド継続パターンと反転パターン両方の状況で出現する可能性があります。
ウェッジ(wedge)の出現する意味と相場状況、
チャートパターン形とトレード手法を解説していきます。
ウェッジ(wedge)の形
以下のチャートは、緩やかな上昇トレンド天井圏でウェッジが出現して下降した例です。
(画像はクリックで拡大できます)
ウェッジの例、その2
MACDでダイバージェンスも出現して、ウェッジを下抜けています。
高値側に引けるトレンドラインは、ちょいちょいヒゲで高値更新をしていますが、
何度もそれが騙しとなって直後に下降していることからも、
なかなか価格が上昇継続していきにくい状況を示しています。
買い手も頑張って買いを入れて安値を切り上げていますが、
高値更新と上昇トレンド継続が思うように伸びていかないことから失速。
最終的に、
安値に引けるトレンドラインをブレイクして価格は下降しています。
ウェッジ(wedge)のチャートパターンが出現した時は、
そこに引けるトレンドラインの角度が急な方に価格が明確に抜けていくことが多いです。
ウェッジ(wedge)の基本形
ウェッジ(wedge)のチャートパターン形の基本形は、以下になります。
(画像はクリックで拡大)
トレンド継続のウェッジでもトレンド反転のウェッジでもともに、
高値もしくは安値を更新させていこうとする買い手(もしくは売り手)が頑張るけども、
なかなか大きく高値更新(もしくは安値更新)できずに相場が形成されていきます。
トレンドラインが引けることからも、
そのラインを意識する市場参加者が多くなり、
角度が急となっている方のトレンドラインを明確に抜けたあたりで
ストップロスも巻き込んで価格が大きく動く可能性がでてくるわけです。
(角度が緩やかな方のトレンドラインを抜けた場合は、ゆっくりな値動きが多い傾向です)
ウェッジ(wedge)はトレンド途中で出現することもあれば、
トレンドの天井や底値圏で出現して反転パターンとなることもあります。
売り手と買い手の攻防で、片方がラッシュをかけているけどなかなか決定打が出ない状況と言えるでしょう。
ウェッジ(wedge)が出現する相場状況
ウェッジ(wedge)のチャートパターンが出現する相場状況は、
トレンド途中の継続パターンでも天井や底値圏でのトレンド反転パターンで出現します。
トレンドの勢いが停滞している天井圏・底値圏で出現しやすいです。
こんな感じで…
ウェッジのくさび形の先端が上を向いているのを「上昇ウェッジ」
ウェッジのくさび形の先端が下を向いているのを「下降ウェッジ」と呼びます。
相場のボラティリティが低下していき、
「上昇か下降かどっちにいこうか?」と迷っている状態で、
売り手と買い手の攻防時に出現します。
以下は下降トレンドの底値圏でウェッジが出現して反転上昇した例です。
ウェッジのトレンドラインブレイクしても、ヒゲ戻ししてくることもあり、
直近の意識されるであろう明確な高値更新してから上目線にするのが固いです。
(リスク先行でのウェッジブレイクトレードも手法としてはアリ)
こういったウェッジが出現する相場状況に信憑性を持たせる為にも、
多くの市場参加者が意識するレジスタンスサポートラインあたりであることを確認していきます。
レジスタンスサポートラインあたりであれば、
トレンド継続したとしても反転したとしても、
強いサポレジ抜け、もしくは反発したという認識をすることができ、
ある程度の価格の値幅が動くことが多いと言えるからです。
また、特に反転系でのウェッジが出現した相場状況では
オシレーター系テクニカルの「ダイバージェンス」が起こっていることが多いです。
天井圏・底値圏で出現するからトレード要素に
ウェッジが発生してレンジになることで、
そのチャートパターンを抜けた方向の推進波を基に、
押し戻りでトレードしていくのが王道的なトレンドフォロー手法です。
ウェッジを抜けた推進波を1波目として、
押し戻りから3波目を狙ってトレードしていきます。
上昇ウェッジ
ウェッジのくさび形の先端が上を向いているのが「上昇ウェッジ」です。
以下はトレンド継続パターンの上昇ウェッジです。
継続パターンの上昇ウェッジは、ダウントレンド途中に出ることが多いです。
ディセンディングルトライアングルの形にも近いです。
(チャートパターンは様々な角度から見ることができます)
移動平均線20MAに反応して、インサイドバーをつくって下降しています。
チャートパターンをブレイクして価格が大きく値動きする際も、
移動平均線やレジスタンスサポートライン等によってタイミングをつくられて動くことが多いです。
下降ウェッジ
ウェッジのくさび形の先端が下を向いているのが「下降ウェッジ」です。
下降ウェッジの使い方としては、上昇ウェッジの反対と考えればOKです。
以下はトレンド継続時の下降ウェッジ例です。
上昇トレンド途中のN字ブレイクとしてウェッジが出現しています。
トレンドラインを引いてウェッジを確認することで、
より早めのポジションエントリーが可能になっていきます。
以下はトレンド反転の下降ウェッジ例です。
一度ウェッジをブレイクして上抜けしていますが、
すぐに大きい下ヒゲでウェッジラインをした抜けています。
が、結局下ヒゲ騙しとなり再上昇。
こういった相場状況の時は、トレンドラインをどんどん引き直していきます。
ウェッジを抜けた先に出現した大きい下ヒゲピンバーが安値更新できなかったことで、
底堅いと判断されて少しずつ価格が上昇していっています。
相場状況はどんどん値動きによって新しいロウソク足がつくられるので、
トレンドラインも引き直しいくことでトレードのタイミングが計りやすくなるわけです。
トレンドラインは3点目が効いていることが重要
ウェッジでも引いていくトレンドラインですが、
トレンドラインを引いた3点目のあたりがしっかりと意識されていることが重要です。
3点目が効いて価格が推移しているトレンドラインは、
相場状況がそのトレンドラインを意識していると判断できます。
(2点目まで効いているトレンドラインはどこでも引ける)
ウェッジを形成しているかを判断するトレンドラインも、
3点目が効いているかどうかに注目していきます。
トレンド継続・反転ウェッジとその他のチャートパターン
ウェッジはトレンドラインがくさび形に引けるチャートパターンですが、
同じような方向性を持つチャートパターンが似て出現することもあります。
以下は、フラッグともウェッジともいえるようなチャートパターン状況です。
フラッグはトレンド継続パターンなのですが、上記も価格が上抜けして上昇しています。
ウェッジと見た場合も高値を引いたトレンドラインの方が角度が急だったので、
上抜けしてアップトレンド継続していく可能性を見ることができました。
ペナントだったり、トライアングルに近い場合もあるのですが、
何にせよチャートパターンが持つ相場状況への意味を理解したうえで、
明確に抜けた方向にトレードしていくのが定石と言えるでしょう。
ウェッジを利用したトレード手法解説
ウェッジを利用したトレード手法は、それ以外のチャートパターンを活用する手法と同様です。
トレードの手順を簡単に解説すると以下になります。
- ダウントレンドの安値更新後、ウェッジ形成を確認
- ウェッジのトレンドラインブレイク後、上昇サインのプライスアクション待ち
- 20MAで反応して包み足出現で買いエントリー1(ストップは直近安値位置)
- 上ヒゲで止められて意識されている高値越えで買いエントリー2
- 強いレジスタンスラインで調整下降後の上昇上抜けブレイクで買いエントリー3
利益確定はフィボナッチリトレースメントであたりをつけてもいいし、
ストップロスの位置から逆算して損小利大になるように設定してもいいと思います。
また、ウェッジブレイクした際には、ウェッジの起点ラインまでは価格が到達することが多いです。
反転系ウェッジだと、上記のようなイメージです。
(実際のトレードで使う場合には、要検証して確認してから使うことを推奨します)
上昇下降の勢いが弱まったレンジでのチャートパターンです。
ウェッジを抜ける推進波が出た方向が、
トレードを狙う方向と合致したら優位性があると言えます。
チャートパターンは、それのみだけを根拠にトレードするのではなく、
意識されている高値もしくは安値越えや、
これまた意識されているレジスタンスサポートラインの状況とあわせて使っていきます。
ウェッジを利用するトレード手法のFX教材
ウェッジはけっこうチョイチョイ出現するチャートパターンです。
様々なチャートパターンを理解してトレードできるようになれば、
トレードチャンスが増えて利益化の速度が加速していきます。
以下のFX教材は、様々なチャートパターンを利用した手法をマスターできます。
- 赤本FX
- トレゼミ・無料オンラインコンテンツ
トレンド反転パターンを極めたロジックを公開しているFX教材。
フィボナッチリトレースメントを活用していき、
ウェッジ等のチャートパターンもあわせて反転系をマスターできます。
かなりわかりやすく手法が解説されているので、初心者にも特におすすめ。
この手法だけをやっていけば、とりあえずトータルで勝てます。
トレゼミの無料コンテンツはかなりいいです。
大西講師の手法「ダイバー34」は、ウェッジが出現した際に実践しやすい手法です。
記事初稿時の解説動画を保存用で。
以下、2017年に作成した解説動画です。
コメント
ウェッジのチャートパターンは、例えばフラッグやトライアングルに形が似ている場合が多く、どのチャートパターンかな?と悩むこともあるかと思います。
ただ重要なのはチャートパターンの名称ではなく、どういう形の相場状況になって、どこの高値(もしくは安値)を抜けていったらトレードサインとなるか、を理解していくことです。
ウェッジは相場の上下変動が狭まっていき、どこかのタイミングで上下どちらかに抜けていくであろうチャートパターンです。
抜けた方向にトレードしていくロジックを学習して理解し、検証して確証を持って、ウェッジをトレードで使っていきましょう。
ウェッジは、
トレンド終盤にトレンドの勢いがなくなってきた相場状況で、
高値安値上下で4点は当たってトレンドラインが引けるとウェッジの形になる。
上下で4点当たってない場合は、
ウェッジというより違うチャートパターンとして認識した方がいい場合もある、ということで。
記事の初稿からだいぶたったんで、大幅に追記修正しました。
(僕の認識もだいぶアレしたんで…汗)
ウェッジの形を理解して、
どういう相場状況で出現した有効か(トレード要素にできるか)が大事かと。
そんな感じで。