インサイドバー(はらみ足)は、FXチャート上で出現するロウソク足プライスアクションのひとつです。
2つ以上のロウソク足の並びで判断するプライスアクションパターンで、
前ロウソク足の実体サイズの中に、次のロウソク足がすっぽりと収まっている形を指します。
2つのロウソク足の並びが「はらんだお腹の中にいる子供」の形にみることから、
「はらみ足」「はらみ線」と呼ばれたりもします。
個人的には「インサイドバー(inside bar)」という英語表記で呼んでいます。
インサイドバー(はらみ足)は、しょっちゅう出現するプライスアクションです。
トレードへの使い方も様々な手法がありますので、
混乱しないようにしっかりと値動きの意味を理解しておきたいところです。
はらみ足という日本語名称が現在もオールドトレーダー中心に広く使われていますが、
なんとなく日本語名称が呼びにくいイメージが個人的にはあります。
(陽の唐笠とか陰のトンカチとか、ちょっと言いにくい印象です)
はらみ足は、「はらんだお腹」のイメージ。以下のような形となります。
上記は「ビール腹をわが子が入っているように愛しむ男」の例です。
FXもワールドワイドな投資なので、誰にでも伝わりやすい名称を個人的に使っていきます!
インサイドバー(はらみ足)の形と値動き
FXのロウソク足チャート上において、
インサイドバー(はらみ足)は以下のような形状のロウソク足となります。
以下のチャート上の赤枠内のロウソク足は、インサイドバー(はらみ足)となります。
赤枠の頻度の多さに注目です。
インサイドバーはかなりの頻度で出現するわけです。
インサイドバー(はらみ足)の形は、
ロウソク足の実体部分が前の足にすっぽりはらまれている状態のものを指します。
(前のロウソク足よりも次足が小さく高値も安値も前足内に収まっている状態)
大きいロウソク足の前足の中に、次足が小さくなって収まって入っているので、
一旦のボラティリティ収束とレンジ状態をあらわしている形になります。
値動きが収縮して相場のパワーをためているので、
その後、高値もしくは安値の抜けた方に価格が動いていくことが多い傾向にあります。
(インサイドバーブレイク)
インサイドバー(はらみ足)が出現したときの、実際の値動きの形は以下で解説していきます。
インサイドバー(はらみ足)値動きイメージ
以下は価格が上昇した際にインサイドバー(はらみ足)が出現した際の値動きのイメージです。
(以下、画像はクリックで拡大できます)
インサイドバー(はらみ足)の中の実際の値動きを確認するには、
更に小さい時間軸チャートを表示させることにより、
どういう形で値動きしてロウソク足を形成したかを確認することができます。
※陰線の中に陽線のロウソク足が収まるインサイドバーは、上記画像例のそのまま逆となります。
インサイドバー(はらみ足)が出現した際の値動きは、
前ロウソク足の高値・安値の中に次足が収まっていることで売り買いの攻防が激化していき、
高値なのか安値なのかどちらを抜けてブレイクするかに注目がされている状態です。
上記のインサイドバー例図で言うと、
高値を更新していくとN字ブレイクとして上昇トレンド継続となり、
前足陽線の安値を更新していくと反転下降として勢いがつく可能性がでてきます。
前足のロウソク足サイズよりも小さいサイズのロウソク足が出現していることは、
ボラティリティが一旦低下している状態となり、
市場参加者が上なのか下なのかどちらに抜けるか注目して力を貯めている状態と言えます。
抜けた方についていくのがトレードの定石となります。
インサイドバーでの反転ブレイクとN字ブレイク
インサイドバー(はらみ足)が出現した状況は、
「相場が売り買いの攻防をしている状況」と言えます。
一度上昇(もしくは下降)した動きを次足で反転しているので、
前足の高値(もしくは安値)をすぐに更新せずに攻防している形となります。
インサイドバーが出現した先の結果は、以下のどれかになります。
- 大きなサイズの前ロウソク足方向に抜けてトレンド継続のN字ブレイク
- 大きなサイズの前ロウソク足反対方向抜けて反転
- そのままどちらにも抜けずに暫くレンジ
以下、簡単にチャート画像で解説します。
インサイドバーでトレンド継続のN字ブレイク
以下のチャート画像は、インサイドバーが出現した後にトレンド継続N字ブレイクしている状態です。
陽線の後に次足陰線ではらまれており(インサイドバー)、
その次の足で陽線となり高値越えしてN字ブレイク完成しています。
(上ヒゲが若干長くなってもいますが)
これは、上昇から一度戻して売り方との攻防があったのですが、
結局買い方が優勢で高値更新して上昇トレンド継続、という形になっています。
一度押して(戻して)からの高値(もしくは安値)更新は、
トレンド継続を示すサインとなります。
インサイドバーで反転
トレンドの天井もしくは底値圏と判断されるあたりでインサイドバーが出現すると、
反転して相場の流れが変わることもよくあります。
以下のチャート画像内の赤枠部分は、インサイドバーでトレンド反転している例です。
インサイドバーのはらまれている足が反転側のピンバーになったりすると、
よりトレンドが反転していく要素のひとつとしてみることもできるわけです。
インサイドバー(はらみ足)で反転していく場合は、
多くの市場参加者に意識されているであろうレジスタンスサポートライン付近だったり、
移動平均線やテクニカルが効いている場所であることが重要です。
なんにせよ、
はらんでいる前足の高値もしくは安値を超えてブレイクした方向についていくのが定石です。
インサイドバーで暫くレンジ
インサイドバ-が出現するということは、大きいロウソク足が前足としてあるわけです。
ロウソク足のサイズが小さくなっていくので、
ボラティリティが低下していき、
そのまましばらく膠着レンジ状態となることも少なくないです。
以下のチャート画像は、インサイドバーの後に暫く低ボラ相場が続いた例です。
ゆるゆると小さいロウソク足サイズで上昇していき、
最終的にはインサイドバーの高値をブレイクしています。
インサイドバー(はらみ足)が出現したらすぐに相場が動く、というわけではない事実がわかります。
なんにせよ、大きいロウソク足の高値もしくは安値を抜けた方についていくのが定石です。
ヒゲと終値の認識に関して
包み足(エンガルフィンバー・OUTSIDE BAR)の記事でも補足してありますが、
はらみ足(inside bar)のようなプライスアクションに関しては、
ロウソク足の「ヒゲ」と「終値」の認識によって定義が異なる場合があります。
当FXブログでは終値を重視する視点から、
ロウソク足の実体部分でプライスアクションを判断しています。
ヒゲ箇所に関しては考慮していません。
(終値は売買の攻防の決着点であり、ダウ理論上も重要視される価格)
「ヒゲも含めてはらまないとはらみ足でない」、
「ヒゲも含めて包まないと包み足でない」、
こういった認識はトレーダーごとに違ったりします。
(ヒゲも含めてとすると、プライスアクションの精度は高まりますが出現数は激減します)
何が正解ということよりも、
自身のトレードにおいてのトレード視点を一定化させていくことが重要と考えています。
インサイドバーを学べるトレードロジック教材
インサイドバー(はらみ足)は度々出現するプライスアクションですが、
そういった形が出現した時の状況を即座に判断できる必要性があります。
以下の教材等でロウソク足プライスアクションの基礎知識を学ぶことは、
安定してFXトレードをやっていくうえで最低限の努力だと思います。
- マエストロFX
様々なロウソク足のプライスアクションを基礎から学べる教材。
教材は初心者向けにイチから解説されています。
裁量トレードをしっかりとやっていくのであれば、是非導入しておきたいFX教材です。
インサイドバー以外のプライスアクションやチャートパターン等は、以下の記事でまとめて解説しています。
参照:FXチャートパターン種類と分析方法からプライスアクションを学ぶ
併せてご活用いただけると幸いです。
コメント
インサイドバーは出現頻度の高いロウソク足のプライスアクションなんですが、左側の大きなロウソク足を次足以降の複数のロウソク足ではらまれながら抜けていくことで、トレードサインとして判断することができるものです。
個人的には、複数のロウソク足で(N字ブレイクの方向と反対方向に)抜けていくことでインサイドバーの方向性がよりわかりやすくトレード要素として使えると考えています。
包み足やピンバーブレイクよりもプライスアクションとしての勢いは低い傾向にあるインサイドバーですが、出現頻度がすこぶる高いので、値動きの意味を理解しておくとトレードが楽になると思います。