FXチャート上に出現するチャートパターンは、トレードしていく上で重要なサインとなります。
狙っている(動き方を知っている)チャートパターンが形成されそうな時に、
為替相場の値動きはチャートパターンををつくる流れ通りに動いていくことが多く、
そのチャートパターンの中で利益を取っていくことが多くのトレーダーのトレード手法です。
チャート上でよく出現するチャートパターンはトレードの武器となるので、
ひとつでも多くの種類を理解してトレードできるようマスターしておくべきです。
Wトップ・Wボトムと共に有名なチャートパターンで「ヘッドアンドショルダー」(三尊天井)があります。
ヘッドアンドショルダー(Head and Shoulder)は、トレンド反転系チャートパターンです。
見た目も判断しやすく多くのトレーダーが使っているチャートパターンです。
主に相場のトレンド転換点で出現すると有効になり、
ネックラインを抜けてトレンド転換が確定すると、
一定程度の値幅まで価格が進む傾向にあるといわれています。
ヘッドアンドショルダーのチャートパターン形とトレード手法を解説していきます。
ヘッドアンドショルダー(三尊)とは?
2019年11月某日に収録した解説動画です。
ヘッドアンドショルダー(Head and Shoulder)とは、
価格の値動きが頭と両肩の上半身のように見える値動きから名づけられています。
こんな感じで頭と両肩の流れをあらわしています。
Head and Shoulderのスペルから「HAS」と略して表記されることもあります。
(僕はよくHASと書きます)
ヘッドアンドショルダーは日本的な別名として
「三尊天井」(さんぞんてんじょう)とも呼ばれています。
これは、阿弥陀三尊の仏像の並びのように、小大小の山ができていくからです。
こんな感じです。ありがたい気持ちになります。
ヘッドアンドショルダーの実際の値動きとしては、以下のようになります。
(画像はクリックで拡大できます)
上記のHAS例のような形となります。
チャートパターンで意識されるヘッドアンドショルダーのネックラインは、
左肩の山と真ん中の大きな山の安値部分を引いたトレンドラインが
ヘッドアンドショルダーのネックラインとなります。
ここを切ってHASブレイクすると、
ネックラインから山の高値までの値幅と同程度の価格が進むことが多いと言われています。
これを取っていくのがヘッドアンドショルダーのトレード手法です。
実際のFXロウソク足チャート上では、以下のような状態がヘッドアンドショルダーと言えます。
上記は比較的キレイなヘッドアンドショルダーの例。
ネックラインをブレイクして下降していく。
ネックラインの安値を結んで斜めのトレンドラインも引けて、トレードも入りやすい。
上記のHAS例は、左肩の安値がかなり低い位置で、右肩前の安値にトレンドラインが引ける例。
時間足を落としていくと、真ん中山の中でも小さいHASが形成されています。
レジスタンスサポートラインをいくつか引いていき、
価格が反応するラインをみつけてトレードしていくとうまくいく相場状況。
上記はヘッドアンドショルダーの形はきれいで下抜けするも、
下落幅がネックラインと山の頂上分くらいまで下落せずに反転上昇した例。
教科書通りのわかりやすいキレイなヘッドアンドショルダーが出現することは稀です。
ネックラインの引き方とHASでのトレード手法を理解していき、
うまく良い位置でトレードしていけるように検証と実践を繰り返していきます。
ヘッドアンドショルダーが出現する相場状況
ヘッドアンドショルダーは反転系のチャートパターンです。
ヘッドアンドショルダーが出現して有効な相場状況は、
基本的にはトレンドの反転時となります。
トレンドは大きな時間足のトレンド状況が、より相場に強く影響していきますが、
小さい時間足でもそれぞれのトレンド状況を形成しています。
一方向に上昇していたトレンドが、一旦の山(高値)をつけて下降していき、
ネックラインを切って下降していき、ある程度まで下落するのがヘッドアンドショルダーです。
(山の高値が騙しとなって下降していく形)
以下のような相場状況でのHASは、形はHASでも出現する場所があまり適切でないと考えられます。
下降トレンドの最中に通常HASが出現していくが、
上昇に向かう反転Wボトムで上昇していく形。
Wボトム右側の谷もピンバーでの騙しブレイクで、
より反転上昇の根拠として強くなっている状況。
こういった下降トレンドの最中では、通常のHASではなく、
反転パターンの逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊天井)が出現すると、
反転上昇の根拠として強くなっていくと考えられます。
- 下降トレンドの反転としては逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊)
- 上昇トレンド反転下降としては通常ヘッドアンドショルダー
これが基本的なHASチャートパターンの使い方になります。
ヘッドアンドショルダーの信憑性を高める値動き
ヘッドアンドショルダーがチャート上で形成されようとしている時に、
HASのチャートパターンが形成されていく信憑性を確かめるポイントがあります。
以下の部分などになります。
- トレンド相場の天井・底値圏で出現する
- 戻りがない相場状況での出現
- 通常HASでネックラインのトレンドラインが下がる
- 両肩と山の間隔が開き過ぎない
- ダイバージェンスが起こっているか確認する
HASはトレンド反転パターンなので、長く続いたトレンド相場の後に出現すると信憑性が増します。
トレンド途中で押し戻りがない(少ない)状況でのHASは信憑性が増します。
(直近のレンジとサポレジ転換がないほどトレンドが伸びてる個所)
(フィボナッチ38.2までの押し戻りがない相場状況が続く)
通常HAS形成時に右肩の山の直前谷安値が左肩安値よりも安い価格になると、
ネックラインとして引けるトレンドラインが右肩下がりとなり、
HASブレイクの流れが微妙になる場合がでてくる。
(フラッグになってトレンド継続の可能性も。)
以下のような状況を指しています。
右肩の安値が下がりすぎると、
その先がペナントになったり違うチャートパターンが見えてきたりもします。
HASの真ん中の山と両肩の間隔が、あまりに不自然だとおかしくなります。
あんまり開いていると、また違ったチャートパターンが見えてくるようになります。
MACD等のオシレーター系テクニカルを使って、ダイバージェンスが起こっているか確認します。
ダイバージェンスが出現している状態でHASブレイクすると、
チャートパターンの精度が上がる可能性が高まってきます。
こういった部分を検証して理解して使っていくことで、
より勝率の高いトレードをしていくことが可能になります。
逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊)もそのまま逆で同様のチャートパターン
ヘッドアンドショルダー(三尊天井)は上昇からの天井圏で出現するチャートパターンです。
逆に反対側の、下落からの底値圏で出現して上昇に向かう場合に出現したら「インバースヘッドアンドショルダー」「逆ヘッドアンドショルダー」「逆三尊天井」と呼びます。
シンプルにヘッドアンドショルダーを反対にしただけの形です。
下降トレンドからの反転上昇パターンで使われることが多いです。
以下は下降トレンドからの逆ヘッドアンドショルダーで上昇している例です。
ネックラインを切って上昇し、安値までの比率程度以上は上昇しています。
逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊)も下降トレンドの反転パターンとして使っていきます。
上昇の際に出現するヘッドアンドショルダーの反対で、形が逆になるだけなので考え方は同じです。
以下はインバースヘッドアンドショルダー(逆三尊)のチャート例です。
ヘッドアンドショルダーが、そのまま逆になった形です。
ヘッドアンドショルダー(三尊)を活用したFXトレード手法
ヘッドアンドショルダーのチャートパターンを利用したトレード手法は、
シンプルにネックライン切りでエントリーしていき、
目標値を設定して利益確定していけばいいのですが、
具体的なトレード手法のひとつの目安を解説しておきたいと思います。
- ヘッドアンドショルダーネックライン切りでエントリー
- 利益確定は山とネックラインのPIPS数分
- 損切ポイントは山のライン少し上(もしくは右肩のライン少し上)
以下のチャートはHASでのトレード例です。(クリックで拡大できます)
ターゲットライン到達後、再度上昇しているのに注目です。
トレンドは大きな時間足のものほど信憑性があり、
チャートパターンを形成して完成しても、
一定のポイントまで進むと再度反転していくことが多々あります。
短期トレードでは、利益確定ポイントと損切ポイントをどこに置いておくかが重要となります。
トレード手法は実際のトレードを行う前に、過去チャートで検証をしてからやっていきます。
レジスタンスサポートラインとヘッドアンドショルダー
ヘッドアンドショルダーのチャートパターンが形成される時に、
多くの市場参加者が意識しているレジスタンスラインが付近にあると信憑性が高まります。
週足、日足などのレジスタンスサポートラインを根拠にHASで反転していくと、
ある程度の値幅で反転していく可能性が高まります。
ダイバージェンスとヘッドアンドショルダー
MACD等のオシレーター系テクニカルで、ダイバージェンスを確認して信憑性を確認することもできます。
以下のHAS形成して下降しているチャートは、MACDがダイバージェンスを示しています。
ダイバージェンスが現れた時にネックライン切りしていくと、
高い確率で反転していく要素として判断できます。
ダイバージェンスは反転トレードに使える要素なので、要検証していくと有効です。
フィボナッチを利用した利益確定方法
ヘッドアンドショルダーのチャートパターンでエントリーした後に、
利益確定ポイントをフィボナッチリトレースメントを利用することも可能です。
以下はHASのチャートパターンにフィボナッチを引いたチャート例です。
上昇からのHAS反転で、フィボナッチ61.8ラインで反発上昇しています。
フィボナッチリトレースメントの23.6、38.2、50.0、61.8は抵抗ラインになりやすく、
そういったポイントを利益確定ポイントとして使うことができます。
トレンドが転換したらフィボナッチ38.2までは進むことが多く、
そこのラインに到達したら次の目標値をフィボ50.0、その次を61.8と伸ばしていくのも有効でしょう。
ヘッドアンドショルダーをマスターするFXトレード教材
ヘッドアンドショルダーを利用したトレード手法は有効です。
トレンドからの反転パターンなので、損勝利大の利益最大化を目指すこともできます。
以下のFX教材は、ヘッドアンドショルダーのチャートパターンを利用した手法をマスターできます。
- 赤本FX
- マエストロFX
トレンド反転パターンを極めたロジックを公開しているFX教材。
フィボナッチリトレースメントを活用していき、
ヘッドアンドショルダー等のチャートパターンをあわせて反転系をマスターできます。
かなりわかりやすく手法が解説されているので、初心者にも特におすすめ。
この手法だけをやっていけば、とりあえずトータルで勝てます。
様々なロウソク足のプライスアクションやチャートパターンを基礎から学べる教材。
毎週送られてくるリアルトレード動画で継続的にトレード学習できます。
裁量トレードをやっていくのであれば、是非導入しておきたいFX教材です。
また、以下の記事で様々なチャートパターンをまとめています。
コメント
ありがとうございます(*^▽^*)
お返事いただけると思っていなかったので驚きと嬉しさでいっぱいです(≧▽≦)
それと今後わからないことがあったときに、質問させてもらってもオガタさんはお返事くださる方だと安心もしました(*’▽’)
最近はエントリーするのがちょっと怖くてずっとチャートを眺めている日々なんです(^-^;
0.1ロットで取引してるので大金は溶かしてませんが、6千マイナスなのです、これはオガタさんのサイトを知る前の話なのですが(^-^;
それから1万3千入れて、オガタさんのサイトを知って2,3カ月勉強させてもって相場も前よりもはるかになじめている感覚はあるのですがワンクリックにびびってる自分と戦ってる今日このごろです(^-^;
びびってるのは手数料(fxプライムGMOを使ってます)とPCをじっくり観察する時間が毎日不規則であることと(スマホはまだ見れますが)
PCと同じ状況でスマホを見れないことです(T_T)
状況というのロジックのことです、PCはオガタさんをお手本にEMA13とMA20,50,100と雲とたまにボリンジャーをつけてます(ボリンジャーまでつけると見づらくて必要な時に使ってる状況です)
スマホは二つまでしか表記できなくて、今はEMA一本と雲をつけてます(^-^;
スマホに雲をつけたらいいのかMAをつけたほうがいいのか迷ってます(T_T)
よろしければスマホで最低限使えるロジックを教えてください(T_T)
popoさん、コメントありがとうございます!
スマホでチャート見るときは、僕は、MT4のアプリを数種類とGMOクリック証券やヒロセ通商、外為オンラインのチャートアプリを複数インストールしてみてます。
メインで見てるのはGMOのアプリですね。
スマホでは僕は値動き見てるだけですが、MAは表示させてますね。
スマホのみでトレードするなら、MAのゴールデンクロス、デッドクロスとかみたいな、シンプルなトレードロジックをやられるのがいいんじゃないですかね。
トレード環境状況はなかなか大変だと思いますが、頑張って地道にやらえてみてください!
ヘッドアンドショルダーの右肩の山の安値が、左肩の山の安値よりも切り下がっている場合(上昇トレンドから下降トレンドへの反転の場合)、
ネックラインが右下がりのラインとなり、微妙な形となります。
右肩の安値が切り下がると、HASというよりも、ウェッジやフラッグの形になっていく場合があります。
様々なHASの場面を検証して、効きやすい形を覚えていきましょう。