FXチャートにおける「ボックス圏」と「レンジ相場」は、
チャート上で現れる形は近いものがあるが意味は全くイコールではないです。
ボックス圏とレンジ相場は、
それぞれ一定の値幅で行ったり来たりを繰り返している相場状況を指しています。
ボックス圏は単に値動きが四角い箱のように行ったり来たりしてる状態のイメージですが、
レンジ相場は「トレンドが出なくても悶々としている」ネガティブイメージすらあります。
多くのトレーダーが採用しているトレード手法が、
価格の値動きが一方向でわかりやすいトレンド相場の手法だからだと思います。
トレンドがでてないレンジ相場は、値動きがあるからこそ利益を出すトレーダーには厄介です。
レンジ相場とボックス圏の相場状況での判断方法と、
できるだけリスクを避けてトレードする手法ができれば有利にトレードできます。
レンジ相場とボックス圏の考え方と、トレードにおける手法を解説していきます。
レンジ相場とボックス圏
レンジ相場はわかりやすく言うと「トレンドが出て無い相場状況」です。
そして「一定の値幅を行ったり来たりしている相場状況」です。
以下のようなチャート状況がレンジ相場に当たります。
上記のレンジ相場チャート例では、高値を連続して明確に切り上げず、
安値も連続して明確に切り下げずに一定の値幅で価格が推移し、
後にレジスタンスラインを切って価格は上昇しアップトレンドが発生しています。
レンジ相場の定義は以下になります。
- 一定の値幅の中で価格が上下している
- 高値を連続して明確に切り上げない
- 安値を連続して明確に切り下げない
- トレンドが出ていない相場状況(ダウ理論上の定義)
以下の「ダウ理論とは?」の記事でもレンジ相場の定義を解説しています。
レンジ相場とは、一定の変動幅の中で価格が上昇下降を繰り返す状況です。
「ボックス圏」「もみ合い」「ダウ中立」「トレンド崩壊状態」とも呼ばれます。トレンドが発生している状態でも短期的なボックス圏を形成したりする場合もあり、
その時々の状況に応じて呼び方を使い分けたりもします。
レンジ相場が出現するパターンは、
トレンド相場の後にトレンドが失速してレンジ相場が出現し、
そのレンジ相場を上昇か下降かどちらかにブレイクしての次のトレンドが出てくる流れです。
「トレンドの次にはレンジがきて、レンジの次にはトレンドがでる」ということです。
レンジの次にはトレンドが発生し、またどこかでレンジを形成します。
また上記チャート例は、全体がアップトレンド継続中とみることもできます。
どこの時間軸で判断するか、どの箇所の中で判断するかで、
トレンド相場とレンジ相場の判断方法もかわっていきます。
また、なんだかんだで相場は巨大なレンジの中で形成されているともいえます。
以下はドル円の月足です。
ドル円だとここ16年間で、135円から75円の中で価格が推移しているということです。
巨大なレンジの値幅の中で、
部分的に出現するトレンドから値幅を切り取っていくのがFXと言えるでしょう。
トレードを避けるべきレンジ相場の定義
「レンジ相場ではトレードを避ける」とよく言われます。
「値動き(ボラティリティ)が無い相場」ではトレードしない方がいいという意味と、
「トレンド相場で利益を出すトレード手法」を採用している場合に該当します。
基本的にレンジ相場はトレンド相場よりもボラティリティが低いことが多いです。
(ハイレンジ相場等の例外も多数存在します)
また、
高値と安値を上げたり下げたりしていくレンジ相場よりも、
一方向に価格が動いていくトレンド相場の方がトレードすべき方向がわかりやすいです。
そういった部分から「レンジ相場はトレードを避けるべき」と言われています。
以下のチャート例は、アップトレンドから天井圏でレンジになり、
Wトップつけてネックラインを切って一段下へ下降した例です。(画像クリックで拡大できます。)
上記のチャート例でも、アップトレンドのつもりで天井圏で買いを入れると、
価格が下降してのレンジ形成(最終的にWトップのチャートパターン形成)で捕まります。
こういった場合のトレードとしては、アップトレンドから高値を切り上げなくなった時点で
天井圏でのレンジ相場に入ったと判断して様子見していくのが無難です。
次なるトレードチャンス例としては、
Wトップのネックライン切りで反転トレードしていくのが考えられます。
FXトレードで長期的に利益をだしていくには、
勝率と利益率が検証済みのトレードロジック(ルール)を実直に実践していくのがおすすめです。
レンジ相場は値動きがはっきりしていない場合が多いので、
明確に価格がどちらかに動く形がでるまで様子見が固いと言えるでしょう。
ボックス圏の意味
レンジ相場と近い意味を持つ「ボックス圏」ですが、
これは一定の高値と安値の中で価格がいったりきたりする、
箱の中のような値動きをすることからボックス圏と呼ばれています。
レンジと言葉のイメージ的にはかなり近いのですが、
ボックス圏はトレンドとトレンドの合間にあるトレードチャンス直前のイメージが沸きます。
また、ボックス圏の高値と安値の中を短期トレードするイメージも沸きます。
以下はドル円4時間足でのボックス圏例です。(画像クリックで拡大できます。)
強いレジサポが上下にあり、その高値と安値の中で短期トレンドを作って上下しています。
ある程度のボラティリティがある中で上下しているので、
ボックス圏の中で形成される短期トレンドでもトレードできそうです。
また、こういったボックス圏及び明確なレンジ相場の時には、
真ん中にレジサポラインが引けることが多いです。
レンジ相場との言葉のイメージの違いとしては、
レンジ相場の大きい枠の中にもう少しカチッとした上下行ったり来たりがボックス圏、という感じでしょうか。
ここら辺のFX専門用語の言葉の使い方は、フィーリングでいいかと思います。
相場状況の形から、どういったトレードをしていくかが最重要事項なので。
レンジ相場とトレンド相場の判断方法
トレンド相場とレンジ相場の判断は、ダウ理論に基づいてやっていくのがセオリーです。
- 連続して高値を切り上げ安値を切り下げているならアップトレンド
- 連続して高値を切り下げ安値を切り上げているならダウントレンド
- 高値も安値も切り上げ切り下げせずに上下しているのはレンジ相場
このダウ理論の定義をもとに、チャートのタイムフレームに従って判断していきます。
日足ではアップトレンドだとしても、1時間足ではダウントレンドということもザラにあります。
自身がトレードしていくチャート時間軸と、トレード手法により判断していきます。
レンジ相場・ボックス圏でのトレード手法
レンジ相場・ボックス圏でのトレードは、明確なトレンドが出現するまで様子見が固いです。
それでもある程度のボラティリティがあるレンジ相場であれば、
ボックス圏の高値と安値の間を短期トレードしていくことも可能です。
以下は、上記でも参考にしたアップトレンドからのボックス圏例です。
トレードできると考えた場所を赤点線丸で囲っています。(以下、画像クリックで拡大できます。)
ボックス圏の高値安値でしっかりとサポートラインが引けることが前提です。
以下のようなトレードチャンスがありました。
- サポートライン上で反発上昇包み足出現で買い(1回目)
- 窓開けからの陰線下降で窓埋め狙い売り(2回目)
- Wトップのネックライン切りで下も、すぐ上昇して一度戻してインサイドバーで買い(3回目)
- 何度も止められたレジスタンスライン上抜けで買い(4回目)
アップトレンドからのレンジ相場で、基本買い目線を基本前提としています。
それぞれしっかりとレジスタンスサポートラインが引けていれば、
プライスアクションを見ながら短期トレードしていくことも可能です。
自身の相場分析力環境認識力の状況にあわせてトレードプラン・トレードシナリオをつくっていきましょう。
レンジ相場で利益を出すトレードロジック教材
レンジ相場でトレードするのは、なかなか相場分析力が求められます。
裁量トレードのスキル重視になるので、きちんと分析した上でトレードします。
以下のFX教材は、レンジ相場の活用法を強化できる内容だと思います。
- グランドセオリーFX
- マエストロFX
裁量トレードスキルを達人レベルにするのに適したFX教材。
レンジ相場で利益を出す「レンジCBMロジック」はマジしびれます。
実力構築しながらレンジ相場で勝ちたい人向けの鉄板教材。
様々なロウソク足のプライスアクションやチャートパターンを基礎から学べる教材。
毎週送られてくるリアルトレード動画で継続的にトレード学習できます。
レンジ相場だろうがボラが低かろうが、
リアルトレード動画とって利益をだしまくる佐野裕氏の毎週のトレード動画は痛快です。
また、以下の記事で様々なチャートパターンをまとめています。
コメント
例えば日足チャートでレンジ相場でも、1時間足ではトレンド相場であるような相場状況はままあります。
自分がトレードする時間足チャートでの相場状況判断・環境認識が大事になってきます。
トレードロジック(ルール)を決めて、長期足の相場状況も分析して加味しながら、メインでチャート監視している執行時間足チャートでトレードロジック通りトレードしていきます。
レンジ相場やボックス圏の判断も、チャートの時間足ごとに変わってくるわけです。