ドルコスト平均法とは、分割投資のやり方のひとつです。
FX以外の一般的な投資ジャンル全般で行われる手法で、
価格が変動する商品を、毎回同じ金額ずつ、定期的に継続して買っていく分散投資法です。
投資信託の積み立て等でよく行われているとのことです。
対象とする投資商品の価格が、上がっても下がっても継続して買っていく方法なので、
FXトレード的に言うと「計画的なナンピン」という感じに受け取れます。
自分の耐えうる可能な資金管理を前もって計画しながら、
ポジションを買い増し・売り増ししていく分割投資法です。
ドルコスト平均法は基本的には、
長期的に見て価格価値が値上がりするであろうとする投資商品に対する手法です。
スイングトレードの場合や、
スワップ金利狙いのポジショントレードでよく用いられたりします。
FXにおいて価格の推移は、短期的に価格が上下していきながら、
大きなレンジ相場の中での中短期で上昇下降トレンドを作って形成していると言えます。
FXトレードにおいてのドルコスト平均法の活用法を
僕個人の見解として簡単に解説していきます。
FXトレードにおけるドルコスト平均法の買い方・売り方
FXトレードにおけるドルコスト平均法のエントリー方法は、
損切りストップロスとターゲットリミットのリスクリワード比の状況次第で、
1回のトレード当たりの資金管理ができている前提であれば、
買い(ロング)でも売り(ショート)でも複数ポジションを分散エントリーしていくのは、アリだと思います。
トレード時の目標となるターゲットリミットまでに、分散エントリーをしていく流れです。
FXトレードにおいてのドルコスト平均法の使い方は、個人的には以下の2パターンと考えます。
- 長期足のトレンド方向に沿って複数ポジションを分散エントリー
- 損切りラインの近くでリスク承知で逆張りエントリー
含み益を出しながら、買い増し売り増ししていくドルコスト平均法の使い方。
含み損があったとしても、押し目戻りで買い増し売り増ししていき、
相場が反転したらトータルでプラスを目指すドルコスト平均法の使い方。
トレードの損切ラインの付近で買い増し売り増しすると、損切りは小さく、反転したらプラスが出しやすいポイントとなる。
特に短期トレードで有効。
それぞれを簡単に解説します。
長期足のトレンド方向に沿って分散エントリー
以下はドル円の週足チャートです。(画像クリックで拡大できます)
ドル円の週足チャートを見ると、2014年9月より高値抜けして明確な上昇トレンドになり、
ファンダメンタル要因(アベノミクス政策の加速)に従って円安方向へ価格が推移。
ボラティリティが拡大していきました。
この時期、
アベノミクスのファンダメンタルズ的要因を明確に把握していた某知人トレーダーは、
円安方向にドーンと上昇することを予見してハイロットで円買いをしまくって、
ドルコスト平均法で買い増ししまくり、短期間で1億円以上のトレード利益を出したそうです。
(この予見してトレードするのは、相当な相場分析力が無いとリスキーなので注意)
(この某知人トレーダーは、仮想通貨投資でも5億くらいの利益をあげている凄腕です。)
アベノミクス効果の円価格への影響を明確に予見できたからこその、
ドルコスト平均法での分散投資成果なわけです。
長期足のトレンドに従って、分散エントリーしていくトレード手法は、
中長期の価格推移が明確に判断できる時に有効となります。
以下は、上記のドル円週足でのドルコスト平均法で買い増していくイメージ例です。
(画像クリックで拡大できます)
ドル円価格が週足実体で高値更新していくにつれて買い増していき、
ダウ理論上でのアップトレンド崩壊で決済するトレード例です。
(Wトップをつけてネックライン実体割れで決済)
直近でエントリーしたドル円買いは損切りになるも、
それ以前にエントリーしているドル円買いが大きな含み益となり、
トータルで大きくプラスとなる決済です。
ドルコスト平均法での買い増し売り増しは、
長期足のトレンド方向にポジション取っていくことで、
中長期的にトータルで利益を出しやすいトレードができます。
損切りラインの近くでリスク承知で逆張りエントリー
トレードでエントリー後に含み損を抱える方向に価格が推移したとしても、
長期的なトレンド方向や意識されるであろうレジスタンスサポートラインが見えていれば、
その損切りライン付近で買い増し売り増しすることで、
トータルで利益を目指すドルコスト平均法的なやり方もあります。
以下はドル円の1時間足チャートでの例です。(画像クリックで拡大できます)
長期足のトレンドが上昇ということを根拠に、ブレイクでロングエントリー。
その後、思惑外れドル円価格は下げていき、含み損。
直近実体安値のサポートラインでナンピン買いの分散エントリーし、
結果、その後反転上昇して直近レジスタンスラインで両ポジションとも決済。
これにより、トータルでプラス収支となるトレード例です。
(最初にロングエントリーの含み損はかなり大きいので実際には再現しにくいですが、例として考えてください)
このような分散エントリーをしていくことで、
最初のエントリーが含み損抱えて失敗しても、
トータルでプラス収支を目指すことが可能になります。
ただ逆に、そのまま思惑と外れて反対方向に価格が進むと損切り時の損失も大きいです。
ドルコスト平均法のメリット・デメリット
ドルコスト平均法を使った分散ポジションエントリーしていくトレード手法は、
例えエントリータイミングが遅れても、
トータルで利益を出せる可能性があるトレード手法であります。
また、明確にトレンドが判断できる相場状況であれば、
買い増し売り増ししていくことで、利益の最大化を狙えるやり方となります。
メリット部分も大きいのですが、
反対にデメリット部分も大いにあります。
- 複数ポジションをエントリーする為、口座証拠金が多く必要
- 狙い通りに価格が推移しないで損切りになると、損失額が大きい
1トレードごとの資金管理を徹底する前提で、
計画的に実践していくのが推奨される手法と言えるでしょう。
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