FXチャート上で表示される1本のロウソク足の中には、様々な価格情報が詰まっています。
ロウソク足の中での特徴的な値動き情報を「プライスアクション」と呼んでいますが、
その中でも「寄り引き十字線」と呼ばれるロウソク足を解説していきます。
寄り引き十字線は、その名前の通り十字形のロウソク足を指します。
ロウソク足の寄り引き十字線も、チャート上でちょいちょい登場する形です。
このようなロウソク足の形の名称なんですが、
それぞれに名称が統一されているわけではなく、
いろいろな呼び方で呼ばれていることが多いです。
寄り引き十字線も「コマ足」と呼ばれたり、
英語表記だと「Doji Candle」と呼ばれたりします。
また、「寄り引き同時線」(同事線)とも呼ばれたりもします。
ロウソク足の実体サイズが殆ど無い足か、
それとも少しはロウソク足実体があるかで区別する場合もあります。
(コマ足は、実体がある程度あるイメージ)
重要なのは呼び方よりもロウソク足のプライスアクションが持つ意味と方向性なので、
寄り引き十字線もそのロウソク足の形と相場状況での出現する意味を理解していきましょう。
寄り引き十字線の形と値動き
FXのチャート上において、寄り引き十字線は以下のような形状のロウソク足となります。
以下のチャート画像赤枠内のロウソク足は、寄り引き十字線となります。
ロウソク足の実体が上下どちらかに寄っているとピンバー(PIN BAR)っぽくなりますし、
十字線の実体部分が大きいとコマ足という名称がしっくりきます。
なんにせよ、
こういった十字線のロウソク足が出現したということは、
売り買いの相場状況が拮抗している状況にあると言えるでしょう。
ロウソク足の始値と終わりがほぼ同値であるので、
売り手と買い手の圧力が均衡している状態であり、
市場参加者が多い場合にはヒゲが長くなりトレンド状況はよりわかりづらくなります。
実体が小さくヒゲも短い寄り引き十字線が出現したら、ボラティリティが少ないとも判断できます。
また、寄り引き十字線が多数連続で出現したり、
一定期間価格が上下どちらかにもブレイクしない状態が続いたとしたら(レンジ状態)
その後の上下どちらかに価格がブレイクしていく相場のパワーが貯まった状態になっていく傾向があります。
寄り引き十字線が出現したときの、実際の値動きの形は以下で解説していきます。
寄り引き十字線の値動きイメージ
以下は寄り引き十字線が出現した際の値動きのイメージです。
(以下、画像はクリックで拡大できます)
寄り引き十字線のロウソク足の中の実際の値動きを確認するには、
更に小さい時間軸チャートを表示させることにより、
どういう形で値動きしてロウソク足を形成したかを確認することができます。
始値と終値がほぼ同じくらいの価格になるということは、
相場がそこから上昇するのか下降するのか同意が定まっていない状態です。
(そのロウソク足の中時点では、です。)
相場状況が均衡しているので、
高値か安値どちらかに抜けてロウソク足実体サイズが大きくなると、
大きくなった方向にトレンドが形成されていく可能性がでてきます。
また、
寄り引き十字線はレンジ状態の膠着状況で出現することが多く、
ボラティリティが一旦低下している状態となり、
市場参加者が上なのか下なのかどちらに抜けるか注目して力を貯めている状態と言えます。
高値もしくは安値を抜けた方についていくのがトレードの定石となります。
寄り引き十字線(同時線)の種類
寄り引き十字線の中でも、形によって異なる名称で呼ばれたりもします。
- トンカチ:ピンバーに近い始値終値が上下どちらに極端に寄っている形
- トンボ:下ヒゲが長く、始値終値が上の方に位置する形
- トウバ:上ヒゲが長く、始値終値が下の方に位置する形
- 足長十字線:上下にヒゲが長い十字線
- 一本線:値動きが殆ど無い十字線
上記は「酒田五法」の中で言われる名称であることが多いです。
まぁ、実際に名称自体はわかんなくても問題ないです。
「実体が小さいロウソク足が出現した時は、相場状況が均衡している」
これを覚えておけばいいんじゃないかと思います。
FXトレードでトレンドフォローしていくには、
大きくなったロウソク足の方向に向けてトレードしていくのが定石となります。
コマ足(極線)と十字線
寄り引き十字線の中でも、実体がコマの形をイメージさせるサイズの足を「コマ足」とも呼びます。
以下のようなロウソク足がコマ足のイメージです。
コマ足以上に実体が小さい足を「極線」と呼んだりもするそうです。
極線は十字線のイメージでしょうか。
「色々な呼び方があるんだなぁ」という感じでいいんじゃないかと思います。
それをコマ足と呼んだりもしますが、
こちらで取り上げているロウソク足の名称コマ足とは別の意味になります。
ご注意ください。
寄り引き十字線のFXトレード活用法
寄り引き十字線が出現したチャート状況は、値動きが均衡している状況です。
それが「重要なレジスタンスサポートライン」で出現しているのか、
「テクニカルが効いている位置で出現しているのか」
それとも「単に市場参加者が少ない時間帯に出現」しているのか、
状況次第で相場の環境認識方法も変わってきます。
意識されているライン上で出現した寄り引き十字線は、
その後に大きくどちらかに動き出す前段階と判断することもできます。
トレードは為替相場の値幅をとっていくものなので、
値動きが無いと利益をだしていけないものです。
寄り引き十字線が出現したのちに大きく動き出す方向についていくのが、
FXトレードで利益をだしていく基本的なトレード手法になるといえるでしょう。
ロウソク足のプライスアクションやチャートパターン等は、以下の記事でまとめて解説しています。
参照:FXチャートパターン種類と分析方法からプライスアクションを学ぶ
併せてご活用いただけると幸いです。
コメント
こんにちわ
反転ロジックの学習のため、プライスアクション、ダイバージェンス、ピンバーなど解説で出てくる用語をナオトさんのブログで学びなおすことにしました。動画と資料が豊富で助かります。
寄り引き十字線(DOJI・コマ足)も、ちょいちょい出現するロウソク足の形なんですが、「相場が拮抗している」「ボラが少ない」状態で出現するロウソク足の形、くらいの認識でまずは良いと思います。
当然、すごーく長いヒゲとかあると要注意ではありますが。
実体が小さい十字線が出現することは、売買の攻防が拮抗してどっちにも傾いてないという状況ですし、
ヒゲが短い状態は高値と安値の幅が小さく、ボラが小さいことを表します。
こういったロウソク足の形が出現していく意味をちょっとずつ理解していくと、トレードが楽になると思います!