FXトレードにおいて最も大切なことのひとつが、ストップ位置をどこに設定するかです。
基本的にポジションをエントリーするタイミングで、
それと同時にストップロス設定の位置を決めてトレードすべきです。
エントリー後にうまくポジションが含み益となっていったら、
ストップロスの位置を相場状況にあわせて動かしていく手法があります。
利益最大化を目指すストップの動かし方が「トレーリングストップ」(Trailing Stop)です。
トレーリングストップは、機械的にも手動でも多くのトレーダーが実践している決済手法です。
トレーリングストップ手法の基本的な用語として「トレール注文」があります。
ポジションエントリー後に、価格レートが上昇(もしくは下降)するとともに、逆指値注文(ストップ)の値も設定したトレール幅に従って上昇していく(レートについていく)注文方法。
例:
現在の価格レートが1ドル=120円として買いポジションをエントリーして、119円に逆指値注文を設定。
同時にトレール幅を1円として設定。
ドル円価格が121円に上昇したら、逆指値ストップ位置が120円に移動します。(1円分の利益を確保)
再び上昇しドル円が1ドル122円になったら、逆指値ストップ位置が121円に移動します。(2円分の利益を確保)
このようにして利益最大化を狙っていく決済手法となります。
トレーリングストップは、トレール注文を実践していく際の名称と思っていいかと思います。
トレーリングストップの考え方とやり方
トレーリングストップ及びトレール注文は、手動でチャート上を確認しながらでも、
FX業者のトレール注文設定を使うことで自動でもできます。
トレンドに従ってストップ(逆指値位置)を動かしていくことで、
利益最大化を目指す決済方法です。
トレーリングストップのやり方そのものは、シンプルに含み益が一定程度伸びたら、
設定しておいた値幅でストップを上げていく(下げていく)ものです。
ただ、より効率的案トレーリングストップのやり方として、
エントリー時に設定するストップ位置を
「買いの場合は直近安値の少し下(売りの場合は直近高値の少し上)」に置いた場合、
買いの場合は明確な高値更新していった際に、
新しくできた安値の少し下にストップを移動していくやり方もあります。
売りの場合は明確な安値更新していった際に、
新しくできた高値の少し上にストップを移動します。
これは、トレンドの終わりまで利益を獲っていくことを狙った手法となります。
トレーリングストップを実践する際には、基本的には以下の条件があることが望ましいです。
- トレンドが出ている
- 明確な高値安値がある(その外にストップを置く)
- ボラティリティがある(ボラがあると高値安値更新しやすい)
こういった相場環境下で、トレンドの値幅をできるだけ狙った決済手法がトレーリングストップです。
以下はドル円の1時間足チャートです。(画像クリックで拡大できます)
まずチャート画像中ほどで、高値更新ブレイクで買いエントリー。(赤丸箇所)
ストップ位置は直近安値下となります。(青色線)
その後、上昇後に一度ドーンと押し戻しが入るも、レジサポ転換したラインに反応して上昇。
これを見てストップ位置を新しくできた安値下に動かします。
その後はN字をつけて一度下落調整してから高値更新する度に、新しくできた安値下にストップを動かしていきます。
最終的に点線赤丸箇所でストップに当たって決済となります。
こういった明確なトレンドが発生した相場で、トレーリングストップはうまく機能します。
上昇すると思ったけど上ヒゲになって下落してしまった、
いうようなダマシでやられることもあるので注意が必要です。
また買いポジションで利益を狙う場合に、
一旦狙う方向と反対側に下落して下抜けてヒゲになっても、
すぐ反転してトレンド方向に伸びていくこともあったりします。
そういった場合には、設定したストップにかかってしまうこともあります。
強いトレンドが出てる相場であれば、
押し戻しも少なくそのままトレンド方向に伸びることも多いので、
強いトレンド相場ではトレーリングストップで勝ちやすいといえるでしょう。
トレーリングストップが有効な相場状況
トレーリングストップが有効な相場状況は、以下の条件となります。
- トレンドが明確な相場
- 長期足でトレンドが出ている相場
- スイングトレードの実践
(わかりやすいトレンドが有利です。レンジ相場だと負けやすいです。)
(長期足でトレンドがでていれば、強いトレンドの伸びが期待できます。)
(短期的にチョイチョイやるよりも、ある程度のトレード期間を予期した方が利幅を取りやすいです)
トレーリングストップが適さない場合
以下は、トレーリングストップの実践が適さないと判断できる相場状況です。
- トレンドが小さい相場
- 短期足トレード
- スキャルピング
(トレンドの伸びが小さい相場では、ストップを移動するのは非効率な場合があります)
(短期足でのトレードでトレーリングストップは、ちょっと忙しいかもです。)
(スキャルならチョイチョイ利食った方が現実的です。)
また、トレーリングストップを実践する際に、
ある程度のトレール幅(ストップ位置までの距離・値幅)が無いと、
ちょっとした上下の価格変動ですぐにストップに刺さっちゃう場合があります。
しょうがないと言えばしょうがないですが。
相場状況にあわせたストップ位置を選択できるとベストです。
トレーリングストップを自動設定できるFX業者
トレーリングストップの実践でFX業者によっては、
トレール幅を予め決めて自動でストップを移動することができます。
(トレール設定)
以下はトレール設定できるFX業者です。
- ヒロセ通商「LION FX」
- GMOクリック証券
- SBI FXトレード
- セントラル短資FX
- YJFX!(外貨ex)
- FXトレード・フィナンシャル
- 外為オンライン
- 等など…
以下の記事で各種FX業者を解説しています。
参照:日本国内FX業者の口座開設キャンペーン比較
なんだかんだで多くのFX業者で自動設定できます。
ただ、個人的にはPIPS固定の自動設定でトレール幅を動かしていくよりも、
明確な高値更新(もしくは安値更新)を目視で確認していき、
根拠を持ってストップ位置を手動で動かしていく方が、トレードは安定すると思います。
トレーダーであれば、トレードに必要な手間と努力を費やすことが大事かな、と。
そんなところですね。
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