押し安値(おしやすね)とは、
ダウ理論に基づいて上昇トレンドが形成された際にできる「節目となる安値」を指します。
アップトレンド形成時に、トレンドの節目として意識される安値部分となります。
高値と安値が連続して切り上がり、
上昇トレンドが発生した際の値上がりの流れの起点となった安値が「押し安値」となります。
上記の図の場所に押し安値は形成されます。
この押し安値は相場が高値を更新していくにつれて、
その高値を形成した起点の安値は、押し安値として移動されていきます。
押し安値を更新して相場が値下がりしない限り、
ダウ理論上のアップトレンドは継続していきます。
押し安値は、アップトレンド発生時に市場参加者に意識される安値となります。
この押し安値をロウソク足の終値(ロウソク足の実体)で下抜けた場合に、
その時点での「アップトレンドが崩壊した」と判断していきます。
アップトレンドにとって押し安値を価格が終値で下抜けることは、トレンドの終焉を意味するのです。
その逆に、
ダウントレンドが形成された際には、
その下降値下がりの起点となった高値が「戻り高値」となります。
戻り高値も、最安値を更新していくと、
その最安値の値動きを形成した起点となる高値が戻り高値として移動していきます。
こちらもこの戻り高値を(ロウソク足の終値で)切って値動きが上昇しない限り、
ダウ理論上はダウントレンド継続とみなします。
ダウ理論に基づく押し安値
押し安値の定義をしっかりと理解しておくことは、
FXでトレンド状況を把握するのに重要なポイントとなります。
相場が押し安値を切って下降しない限り、ダウ理論上は上昇トレンドです。
そして、
相場が上昇トレンド発生後に更なる高値を更新していくと、
その更なる高値の起点となった安値が、最新の押し安値の位置になります。
押し安値はチャートがN字をつけて高値更新すると移動していきます。
押し安値の発生と移動を図にすると以下のようになります。
押し安値は高値更新すると、その起点となった安値部分に移動します。
押し安値のチャート上での判断
押し安値は高値更新の起点となった安値となりますが、
それではチャートの波の判断の際に、押し安値箇所判断で個人差がでてきます。
チャートの高値更新の際の値動きを、
一直線で見るかある程度の波で見るかでも、押し安値とする箇所が変わってきます。
この押し安値の位置の決定ですが、
トレーダーそれぞれの判断の中で一定の判断であればいいとされています。
押し安値の場所選定は、ダウ理論に基づくトレンド判断に影響してくるので、
トレーダーそれぞれが一定の目線を持ってチャートを理解していきます。
押し安値によるダウ理論でのトレンド判断
ダウ理論では、「終値」が重要視されています。
そこでアップトレンドの終焉は、
「押し安値を終値で下抜けた時」と捉えて良いと思います。
(一旦抜けてもヒゲになって戻した場合は、まだトレンド継続と判断します。)
そのロウソク足の終値も「どの時間足の終値で抜けたらいいの?」等、チャート上での判断基準は色々出てきます。
(より長期足チャートの押し安値も存在しますし、時間足それぞれにトレンドがあるので)
基本的には、
自分のトレード判断している時間軸チャートでの判断で良いと思います。
ダウ理論によるトレンド判断も、チャート分析のやり方で視点が違ってきます。
自分なりにチャート分析の視点を一定化して、トレンド判断をしていきます。
押し安値、戻り高値は、そこのラインを超えるとトレンド状況が変わるポイントとなる場所です。
ただ、だからといって強烈にそこだけ意識するのではなく、フレキシブルに対応できるように相場分析力を高めていくのが重要です。
トレンド状況判断の一環として押し安値、戻り高値を利用していきます。
チャートの時間足によっても、押し安値の位置は変わってきます。
そのアップトレンドがどの時間足チャートでのトレンド判断なのか、
5分足チャート上ではアップトレンドだけど、日足チャートではレンジ相場だったり、時間足チャートによってトレンド判断状況は異なります。
まずは自分がトレードしていく時間足チャート上で、押し安値とアップトレンドの関係をみていきましょう。
そこの押し安値を切ったら、必ずアップトレンドが崩壊する!というものでもないですし、より長期足チャートではもっと意識される押し安値があるでしょうし。
こういった部分はマルチタイムフレーム分析を理解してないと難しい部分もありますが…
押し安値は、あくまでもダウ理論上でのトレンド判断の概念のひとつ、みたいな認識でいいかと思います。
チャートの時間足によっても、押し安値とトレンド判断変わってきますし。
押し安値を下抜けて、ロウソク足が完成して終値で抜けたのを見る場合にも、長期足チャートのトレンド状況を見ていくのも重要かな、と思います。
総合的にチャートを判断していくのが大事かもですね。