FXにおける為替相場の値動きは、様々な要素によって価格が変動していきますが、
価格に影響を与える事柄の連動性や相関性を見て、
トレードの参考にすることができます。
参照:相関性連動性を活用する方法【ドル指数・NYダウ・日経平均株価】
(相関性の基本的活用方法は上記記事を参照)
NYダウやドルインデックス、日経平均株価等の各種指数の他に、
通常トレードする通貨ペアごとにも連動した値動きがあります。
例えばユーロドルの値動きは、ドルとユーロの他各通貨ペアにも影響を与えます。
そもそも通貨ペアの値動きは「ドル円」(USD/JPY)だと、
ドルが円で買われれば上昇し(円がドルで売られる・ドルが強い)、
円がドルで買われる(ドルが円で売られる・円が強い)と下降します。
ドル円が110円から115円に上昇した場合は、
ドルを円で買う人が多かったので上昇しており、
1ドルを円で買うのに110円から115円必要になったということです。
(円の価値が安くなった。1ドル買うのに5円プラスになった)
この場合、ドルが強くなったということで、
その他のドルストレート通貨もドルが強い方に動く可能性がでてきます。
(必ずしもではないですが、影響は0ではないはずです)
こちらの記事では、通貨ペアごとの相関性の見方をまとめていきます。
主要通貨の相関性まとめ
- ドル円(USD/JPY)の値動きの相関性
- ユーロ円の値動きに影響
- ポンド円の値動きに影響
- オージー円の値動きに影響
- カナダ円の値動きに影響
- その他円絡み通貨(クロス円)の値動きに影響
- ユーロドル(EUR/USD)の値動きの相関性
- ユーロ円とドル円の値動きに影響
- ポンドドルの値動きに影響
- ドルフランの値動きに影響
- ドルカナダの値動きに影響
- ユーロポンドの値動きに影響
- ユーロオージーの値動きに影響
- ポンドドル(GBP/USD)の値動きの相関性
- ポンド円の値動きに影響
- その他ポンド絡み通貨の値動きに影響
- ドル絡みの通貨の値動きに影響
ドル円の値動きは主に円絡み通貨に影響があります。
ドルストレート通貨には(ドルが基軸通貨なので)相関性は薄いことが多いです。
ドルが為替相場における世界の基軸通貨であり、
ユーロドルは取引量が最も多い通貨ペアです。
ユーロが強いかドルが強いかを判断することで、
その他の通貨ペアの強弱影響を見ていくことができます。
(ユーロ円は、ユーロドルとドル円を複合したクロス円)
(ドルが強いか弱いかの状況)
(その他クロス円にも影響があることがあります)
ポンドとドルの強さをみることができます。
こういった形で買われて上昇している通貨が強く、
売られて下落している通貨が弱いと判断します。
強い通貨は他の通貨ペアでも買われやすく、
弱い通貨は他の通貨ペアでも売られやすい傾向にあります。
通貨ペアの相関性見方例を解説
実際に複数の通貨ペアでの相関性の判断方法を簡単に解説します。
以下はユーロドルとドル円とユーロ円の1時間足です。
上記のチャート上から現状の通貨強弱を見ると、以下になります。
- ユーロドルが上昇でユーロが強い(ユーロが買われてドルが売られている)
- ドル円が下落で円が強くてドルが弱い(円がドルで買われている)
- ユーロ円が直前上昇ありながらもレンジ状態(ユーロも円もボチボチ)
ユーロ円の一時上昇は、ユーロドルが上昇してユーロが強い部分の影響も考えられ、
現時点でユーロ円が下落したのは相関性で言うと、
円の強さ(円が買われている)を判断することができます。
よって、
ドルが弱くて円が強くて、ユーロがボチボチ、という通貨ペアの相関性が判断できます。
この通貨ペア強弱がわかれば、
「ドル円をショートすると下落する可能性」を考えられます。
以下のチャートはポンドドル、ドル円、ユーロ円、ポンド円の4時間足です。
上記のチャート上から現状の通貨強弱を見ると、以下になります。
- ポンドドルが上昇してポンドが強い
- ドル円が下落で円が強くてドルが弱い
- ユーロ円が横ばいでユーロと円はボチボチ
- ポンド円は短期下落してて、円が強くてポンドが少し弱い
上記の相関性から判断すると、
円が強くて買われやすく、ポンドも弱いけどドルはもっと弱く売られやすい、
と判断することができます。
ドルが弱くて円が強いことがわかるので、
ドル円のショート狙いが思い浮かんできます。
ポンド円も下がってて少しポンドが弱く感じますが、
ポンドドルは上昇しているので、
ポンド円でポンドを売るよりもドルを売る方が、
より通貨の強弱がトレード根拠として見えるわけです。
ドルを中心に為替相場は形成されている
基本的にFXの為替相場は「ドルを中心」に動いています。
世界の取引の基軸通貨がドルと言うこともあり、
最終的にはドルが強いか弱いかが通貨ごとの相関性に現れてきます。
(ドルが買われるか売られるか)
また、
取引量(流動量)が多い通貨がより影響力を持ち、
ドルやユーロの強弱は他の通貨にも大きな影響を与えます。
円も取引量が多いのですが、
日本経済が世界各国に比べて安定的に見られているのか、
円の値動きは比較的安定したレンジの中にいることが多いです。
通貨の強弱をみていくことは、
トレードの根拠として活用できるので、
是非仕組みと見方を理解しておきましょう。
主役通貨がある場合は、強いトレンドが…
例えばドル円もユーロ円もポンド円も一緒に下落していたとしたら、
「円が一気に買われて下落している」と判断できます。
こういった相場状況では、「円の下降トレンドが強い」と判断することができます。
様々な通貨ペアで同時に円が買われて下降しているわけです。
このように、
その通貨が様々な通貨ペアで同時に同じ方向に取引されている時、
その主役となる通貨のトレンドは強いと判断できます。
通貨ペアの相関性関連記事
ユーロポンド(EURGBP)の値動き状況を見ることで、
ユーロクロス、ポンドクロスの各通貨ペアの方向性の判断材料にすることもできます。
以下、解説記事です。
参照:ユーロポンドで通貨ペア強弱を見る方法
通貨ペアの相関性を学ぶのにおすすめの商材
- マエストロFX
- デイトレ大百科(及川圭哉)
マエストロFXの「通貨ペア選択の考え方」コンテンツは、
相関性の活用法と考え方を学ぶのにおすすめです。
及川圭哉氏のトレード手法は、通貨ペアの連動性をかなり意識したものです。
短期足でのトレードをメインにしておられますが、
通貨ペアの連動性・相関性を学ぶにはかなり良い教材だと思います。
実践的な動画教材です。
コメント
ナオトさん、大変為になる記事です。
質問したいのですが、こういった知識はどうやって身につけられたのでしょうか。
当方FXをはじめて3年ですが、勝ったり負けたりを繰り返している状態です。何とか安定して勝ちたいと願う兼業トレーダーです。
ナオトさん、こんにちは。
通貨ごとの相関性なんですが、対円通貨はどの程度みておられるのでしょうか ドル円とユーロエンが同じような動きの時がいいですか
高木さん、コメントありがとうございます。
対円通貨の相関ですが、僕の場合は「日経平均」みてから、円絡み通貨を見ていきます。
ドル円とユーロ円が同じような動き方をしている場合は、相関性も素直に効いてると言えますが、
例えば、ユーロ円を買う場合は、ユーロドルとドル円が共に上昇していると相関性が効きやすいと言えます。
(ユーロドルが上昇→ユーロが強くドルが弱い、 ドル円が上昇→ドルが強くて円が弱い、 結果、ユーロが強くて円が弱い傾向)
この相関性から、(ユーロが強くて円が弱い傾向から)ユーロ円が上昇しやすいと判断できます。
そんな感じで判断していくんですが、
あくまでトレードしていく要素の一つとして認識されるといいかと思います。
[通貨ペア相関性の参考]
カナダは資源国通貨(オージー、ニュージー)の仲間
フランはリスク回避型の通貨(金など)
カナダフラン・オージーニュージーなどのクロス通貨ペアを見ることで、
通貨ペアごとの相関性・現状での強弱を判断していける。