FXでは、チャート上に大きく隙間(価格と価格の間に空白)ができることがあります。
これを「窓(まど)」と呼びます。
英語表記で「GAP(ギャップ)」とも呼びます。
隙間という意味の英語表記になります。
チャート画面で言うと、以下のような箇所が窓(ギャップ)となります。
(画像クリックで拡大できます)
ロウソク足の間に、空白のスペースができてるのがわかります。
このような時間の区切り目で、価格がピョンと跳ね上がって生まれた空白を窓(ギャップ)と呼んでいます。
窓(ギャップ)が開く時は、
週明け月曜日の定番的な窓開けもありますが、
それ以外の場合は相場に何らかの影響があったと考えるのが自然です。
また、窓が開いた空白部分は、ロウソク足の大陽線もしくは大陰線と同じようにテクニカル上考えられることもあります。
ようは一気に価格が上昇(もしくは下降)した状況と考えるものです。
窓(ギャップ)は、
FXトレードをしているとチョイチョイ見かける現象なので、基本的な部分を解説していきたいと思います。
窓(ギャップ)とはどうしておこる?
窓(ギャップ・GAP)開けが起こる理由は、
「ごく短時間の中で大きな売買が成立したから」起こることが基本となります。
短時間での大きな売買により、一気に価格が上下に飛んじゃう現象ですね。
また、週明け月曜日の窓開けは、
土日の(日本市場では)為替相場が動いてない期間にも海外及び何らかの為替相場流動性がある部分が影響されたり、
経済的なニュースやファンダメンタル的要素が影響して土日を挟んだ月曜朝に価格変動が集約されることで、
金曜深夜の終値から価格が飛んで始値となることで、窓開けとして相場が始まったりする現象からとなります。
重要経済指標発表時も、窓開け的な価格飛びが度々起こったりします。
これも短時間に一気に大きな価格の売買が行われるからです。
(指標発表時は、FX業者のスプレッドも開きがちなのでその部分でも注意が必要ですが)
また「窓は埋めるもの」と言われたりします。
開いた窓(ギャップ・GAP)は、近い将来に価格が窓を開けた最初の価格まで戻るであろうとされる部分です。
実際に多くの窓開けは、早い段階で埋めていくことが多いです。
以下はポンドドルの15分足チャート画像です。(画像クリックで拡大できます)
月曜朝に下窓開けて相場が開始し、その後上昇して窓埋め。
窓埋めした後も、窓開けとなったロウソク足の高値安値あたりがレジサポとなりレンジ相場を形成。
その後、下ブレイクしていった相場状況です。
以下はユーロ円の15分足チャート画像です。(画像クリックで拡大できます)
月曜朝に、小さいですが下窓開けて相場が開始しています。
相場はチャート上も下に向かいたいように見えますし、実際に下ブレイクしてダウントレンド継続しています。
そんな状況でも、一旦上昇して窓を埋めてから安値をブレイクしていっているのがわかります。
窓開けして、明確なトレンドが形成されてない場合は、とりあえず窓を埋めてから方向感が出ることが多いです。
月曜朝の窓開けは、
特に東京市場からFX相場は開始されるので、
欧州・NYのトレーダーが本格的に入って来る時間までに窓埋めの方向に向かう傾向も多いです。
ただ、
窓を埋めずに窓開けの方向に再ブレイクしていくこともあるので、
その場合には窓を埋めなかった方向にトレンドが強いと判断することができます。
以下はポンド円の30分足チャート画像です。(画像クリックで拡大できます)
月曜朝に上窓開けて相場スタート。
その後、陰線も出現するも上昇トレンドが強く高値更新ブレイクをしていき、窓埋めせずに上昇していった相場状況です。
こういった「窓を埋めずに窓を開けた方向にブレイクしてトレンド形成していく場合」は、
窓開けの反対側にトレンドがなかなか強いと判断することができます。
(こういった場合も、将来的にどこかのタイミングで窓開けの価格まで戻すことが殆どですが)
また、
窓開けした価格の上下はレジスタンスサポートとして意識されやすい傾向があります。
一気に価格が動いて窓ができた際の上限下限の価格となるので、
その後しばらくの間もレジサポとして機能しやすいわけですね。
窓(ギャップ)の種類
チャート上で出現する窓(ギャップ・GAP)にも種類とそれぞれの名称があるようです。
以下、簡単にまとめます。
- コモン・ギャップ(common gap)
- ブレイクアウェイ・ギャップ(breakaway gap)
- ランアウェイ・ギャップ(runaway gap)
- イグゾースション・ギャップ(exhaustion gap)
- などなど…
レンジ相場(ボックス相場)の中に出現する窓。
価格の流動性が低い時間帯や通貨ペアに出現することが多い。
株式チャートでは新興市場などの流動性の低い銘柄でよく出る。
比較的すぐに窓埋めをしてくる傾向があります。
揉み合っていたレンジなどを出来高を伴いながら放れることをいう。
一気に価格をブレイクしていく窓なので、新たなトレンドの始まりとなることが多い。
窓埋めしないでそのまま行っちゃうパターンのGAP。
窓(ギャップ)が出現した後に、窓を埋めることなくそのまま突っ走っていくギャップ。
強いアップトレンドやダウントレンドの中で発生することがある。
トレンドの最終局面に出現するギャップ。
酒田五法での三空踏み上げに近い窓開けの形状。
窓開け(ギャップ・GAP)は、FXよりも株式投資のチャートで出現することが多いとされてます。
チャート上で窓開けが発生したら、どんな理由で窓が開いたかを認識するのが大切だと思います。
窓開け窓埋めトレードのやり方
窓(ギャップ)が出現した際には、
「なんで窓が開いたか」「窓を埋めるかどうか」「窓を埋めずにブレイクするか」
という部分に注目すればいいと個人的には思っています。
窓はあくまで「短時間に一気に価格の売買が行われてできる価格の飛び」です。
その後に、
一旦の調整戻しとして窓埋めを取っていくのは、アリな手法です。
特に月曜朝の窓開けからの窓埋めはわかりやすいです。
相場状況的に大きく窓を開けることが減り、
また、窓が開いていてもFX業者のスプレッド開きで対策がかなりされているからです。
相場状況的に大きく窓空きした場合に、
その日をかけての窓埋めトレードは可能と見ています。
多くの市場参加者が「窓は埋めるもの」と思っているので、
窓埋めの方向に一度価格が向かっていったとしたら、
けっこうな頻度で窓埋め価格まで走ることが多いです。
その窓埋めを腹八分で取っていくのが、
窓開け窓埋めトレードのベーシックなやり方かな、と思います。
また、窓開け後の窓埋めトレード及び判断は僕のよくやる場面です。
FXメルマガでお送りする相場分析動画等でも解説していきますので、是非登録しておいてください。
コメント
月曜朝の窓開けなんですが、かつて2010年頃はけっこうなPIPS幅で窓をあけたものですが、最近はクロス円とかでも10PIPS未満の窓開けで相場が始まることが多い印象です。
なので、僕自身も月曜朝に早起き(もしくは日曜深夜からそのまま起きてる)して窓埋めトレードをしていくのは、めんどくさくなってやらないことが殆どになりました(苦笑)
また、相場状況にあわせてトレードのやり方を組み立てていきたいものですね。
2020年現在の相場状況なんですが、窓開けしても、窓埋めするまでに時間(期間)がけっこうかかることが多くなってる印象です。
以前はその日のうちに窓埋めしてから方向作っていくことが多い印象だったんですが、
窓開けして相場開始しても、窓埋めの価格まで到達しないで窓開けた方向に進み、結局窓埋めするまでに数日以上かかることが多い印象です。
窓埋めにこだわりすぎず、無理なくトレードしていかれてください!