FXにおける「スプレッド」とは、買い注文と売り注文の価格差のことを指します。
「ドル円はスプレッド0.3銭」という表示があれば、
ドル円の買い注文オーダーの価格が売り注文オーダーの価格より0.3銭高い状態となります。
この場合、
ドル円を1ポジション買い注文を出してオーダーが通ると、
スプレッドである0.3銭分マイナスとなったポジションから保有開始となるわけです。
(0.3銭は、ポジション的には0.3PIPSと同様の値となります。)
スプレッドによる売買価格差とは、基本的にFX業者の手数料分(利益分)と考えられています。
本来、為替取引による取引手数料はスプレッドとは別の部分なのですが、
特に日本国内のFX業者は取引手数料無料と謳っている業者が多く、
通貨ペアのスプレッド部分を取引手数料的な意味合いとして設定している場合が多いです。
(詳しくは後述します。)
スプレッドの考え方とよくあるFX業者設定
スプレッドの設定は、狭ければ狭いほど個人投資家・トレーダーに有利です。
ポジションを持ったスタート時のマイナス額が、少なくなるからです。
以下はMeta Trader4でのOANDA JAPANのチャートです。(画像クリックで拡大できます)
この場合のOANDA JAPANのドル円スプレッド設定は、0.3銭です。
(OANDA JAPANには他にも数種類のスプレッド設定があります。)
買いポジションを持った瞬間に、0.3銭(0.3PIPS)含み損を抱えている状態からはじまるわけです。
だから、スプレッドは狭ければ狭いほどトレーダーにとって有利。
以下は外為オンラインWEBサイトトップに表示されているマーケット情報です。
上記も買値と売値の表示によるスプレッド差が表記されています。
(同時に各国市場の時間帯も表示されていて便利です)
外為オンラインは、2018年8月現在もドル円スプレッドが1銭(1PIPS)と硬派な設定です。
僕がFXをはじめた2009年頃は、ドル円スプレッドが1銭(1PIPS)でも狭い設定でした。
年々スプレッド極狭設定のFX業者が台頭してきたことで、
現在はドル円で0.3銭(0.3PIPS)のスプレッドが日本国内FX業者の極狭設定の基準値となっています。
(2018年8月2020年2月現在の状況です)
通貨ペアのスプレッドはFX業者の取り分として考えられていますが、
極狭スプレッド設定だと当然にFX業者も儲けが少なくなると考えられます。
ただ、FXは個人投資家とFX業者での相対取引となっています。
そういった部分でFX業者の信用度及び運営歴がとても重要になってきます。
ただスプレッドが極狭というだけでFX業者を採用するよりも、
信用度のおける企業かどうかを判断してFX業者を選択した方が無難と言えます。
スプレッドによるトレードコスト例
スプレッド設定により一度のロット数が大きければ大きいほど、
取引コスト(スプレッドによるマイナス額)も大きくなります。
そりゃそうですが。
以下、簡単に1トレード当たりのスプレッドによる取引コストをまとめます。
- ドル円スプレッド0.3銭(0.3PIPS)で買いポジションを10万通貨持った場合:
- ドル円スプレッド1銭(1PIPS)で買いポジションを10万通貨持った場合:
10万通貨のドル円 × スプレッド(0.3銭) = 300円
(1PIPS動くと、1000円の値幅になる場合)
10万通貨のドル円 × スプレッド(1銭) = 1000円
(1PIPS動くと、1000円の値幅になる場合)
(上記のトレードコストが、ポジションを持った瞬間に含み損として計上されます。)
(クロス円以外のドルストレート等の通貨ペアだと、円換算が細かいので省略します。)
スリップページ(すべること)もあるし
FXトレードには「スリップページ」というオーダー時の滑りがつきものです。
この「スリップページ」とは、
注文を出した際に、注文を出したと自分が認識している価格よりも悪い価格に少し滑って約定することを指します。
為替相場は常に価格が流動しているので、ある程度はしょうがないと思います。
ただ、このスリップページすべりもFX業者によって、
あるいはFX業者の注文システムによって明確に差が出ている状況もあります。
(2018年8月現在は、かつてよりもかなり改善された業者が多いですが)
せっかく狭いスプレッドのFX業者を選択しても、
滑りまくって全然良い価格で約定しなかったら意味が薄いです。
スリップページに関しては、正直使ってみないとわからない部分もありますし。
各FX業者の取引ツールの精度を使いながら確認していく必要もあります。
「スプレッドの原則固定」表記の意味
「スプレッド原則固定」とFX業者で表記がある場合が多いです。
以下の感じで…
これは、殆どの時間で表示しているスプレッドで対応している、という意味です。
例外もあり、
経済指標発表時や、深夜早朝等の流動性が低い(市場参加者が少ない)時間帯等にスプレッドが広がる場合があります。
最近は注意書きで「※例外あり」といった表記をしている場合が多いです。
あまり極狭スプレッドを煽り過ぎないクリーンな方向性だと思います。
銭とPIPSの表記
「スプレッドは0.3銭」という表記がFX業者で多いです。
通常利用される「PIPS」という表現と違い、ちょっとわかりづらい部分もあります。
基本的に「0.1銭は、0.1PIPS」と認識できます。
ドル円、ユーロ円、ポンド円等のクロス円であれば、
円の通貨単位である「銭」が表示として使えます。
ユーロドル、ポンドドル、オージードル等のクロス円以外の通貨ペアであれば、
円が絡んでないので「銭」と表示が使えず「PIPS」で価格差を表記します。
極狭スプレッド設定の闇
殆どFX業者の取り分がないんじゃないか?
と思えるほど極狭スプレッド設定のFX業者が多いです。
それもこれも、
FXが個人投資家とFX業者の相対取引という形だからなせる事柄だと認識しています。
一般的な個人投資家のFX業者への1回のオーダーは、
いちいちインターバンク(いわゆる銀行)にFX業者経由で注文されてるわけではないと言われています。
ある意味、個人投資家とFX業者でどっちが儲けるかのやり取りと言えるでしょう。
だからこそ、
利用するFX業者は企業規模が大きく、信用度もあり、運営歴があるところがおすすめです。
参照:FX口座開設業者のスプレッド差の理由と闇
(呑み業者としてのFX業者の形を解説している記事です。意外と知らない人も多いかと。)
スプレッドからみるFX口座業者おすすめ
といったわけで、
FX業者のスプレッドと運営歴・信用度等を考えた上でのおすすめ業者は、以下です。
- ヒロセ通商
- DMM.com FX
- SBI FXトレード
- GMOクリック証券
- 外為ジャパンFX
定番のファンが多い国内FX業者です。
スプレッドも狭く、取引できるロット数も1000通貨からと安心。
キャンペーンも多いです。
運営母体がDMMで企業規模が大きく安心感があります。
スプレッドも狭く、運営にも広告にもお金をかけている安定感があります。
最近TVCMも展開しているSBI FXトレード。
スプレッドが国内FX業者内でも最も狭い部類に入ります。
秒速スキャルFXのFX-Katsu先生が愛用していることでも有名。
ガッキーがCMモデルのFX業者。
GMOが運営母体企業なので、こちらもでっかい。
取引ツールはっちゅう君は高性能と評判。僕も使ってます。
DMM.comが親会社となり運営している別FX業者。
こちらもスプレッドが狭くて使いやすい。
参照:FX会社の口座開設キャンペーン比較
(上記記事中に、各FX業者公式ページへのリンクも紹介しています。)
ドル円のスプレッドが0.3銭(0.3PIPS)ラインが基本となっています。
結局、多くのトレーダーが使っていてみんながよく名前を聞くFX業者になるってことですね。
海外FX業者か日本国内FX業者か
海外FX業者は最大レバレッジが日本国内FX業者よりも大きく利用できる等の利点があります。
Meta Trader4(MT4)でそのままトレードできる業者も多いですし。
ただ、
スプレッド面で見ると国内FX業者よりも広くなる傾向にあります。
(日本国内FX業者並のスプレッドの業者もありますが、取引手数料等がかかる場合も)
税制面でも日本国内FX業者よりも税率が高くなります。
そういった部分もありますが、
長期的にFXを継続していくとロット数の部分からも海外FX業者を使う機会が出てくる可能性もあります。
(海外FX業者は最大ロット数の上限がかなり高い場合多し)
状況に応じて導入していったらいいかと思います。
FX業者のスプレッド解説まとめ
- スプレッドとは、通貨ペアの売買価格差である。
- 日本国内FX業者は、極狭スプレッドを提供してる業者が多い。
- 海外FX業者は日本国内業者に比べてスプレッド広めの傾向(様々なケースあり)
そんな感じですね。
参照記事:FX業者のスプレッド比較(スリップページと使いやすさ)
(日本国内及び海外FX業者のスプレッド比較をした記事です。)
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