相場は波を描きながら形成されていくもので、
かならず「押し戻り」の波をつけてトレンドが形成されていきます。
その「相場の押し戻り」の目途を数値化して図るのが「フィボナッチ・リトレースメント」なんですが、
高値安値のフィボナッチを引く始点ポイントをどこにするかでズレてきます。
それを相場の値動きにあわせて「フィボナッチを引き直す」ことで、
ある程度「相場の押し戻りを想定する」方法を解説していきます。
フィボナッチ数は為替相場上でかなり意識されやすい数値(価格)となります。
フィボナッチ数の特性と、
フィボナッチ・リトレースメントのツールの使い方を適切に理解していくと、
為替相場分析力の向上が見込めると思います。
今回の内容は、フィボナッチ・リトレースメントの基本的な使い方からしたら邪道です。
あくまで基本は「押し戻りを想定する目安」として使うのが適当かと思います。
ただ、こういう使い方をすることで、臨機応変に相場分析できるメリットがあります。
「真鍋、邪道じゃー!」「両国国技館で、電流爆破がみたいかーー!?」
臨機応変にやっていきましょう。
フィボナッチ比率の特性を理解していくと、色々応用できるという例ですね。
相場の動きに合わせてフィボナッチを引き直す
通常のフィボナッチ・リトレースメントは、
「直近の明確な高値(もしくは安値)を始点として、明確に価格が止まった安値(もしくは高値)に向けてツールを引き、価格の押し戻りの目安を想定する」ツールです。
参照:フィボナッチリトレースメントFXでの使い方とMT4での引き方解説
以下のように相場が反転した際の価格の進み具合を想定するのが基本的です。
トレンドが一旦フィボナッチ23.6を抜けて反転すると、フィボナッチ数の38.2までは戻ることが多いと検証されています。
ただ、
こうやって主要な高値安値でフィボナッチリトレースメントを引くと、
小さな値動きはフィボナッチ比率に当たらずにスルーされる相場が多いです。
そういった時に、
フィボナッチリトレースメントの数値を価格の動きに合わせて引き直します。
フィボナッチリトレースメントをレンジ上下限に合わせることで、利確目安などで使うことができます。
以下、ユーロドル1時間足チャート画像です。(画像クリックで拡大)
チャート上の高値と安値でフィボナッチを引くと、23.6の中にレンジが収まっています。
ただ、
上記のチャート上では高値あたりでWトップを付けてネックラインを下抜けています。
この小さいWトップのネックラインをフィボ23.6に合わせることで、38.2までの下抜け下げ目途が測れます。
以下、先ほどと同じユーロドル1時間足チャートです。フィボナッチを小さく引き直しました。
フィボナッチリトレースメントの始点を少し繰り上げてとり、
小さいWトップのネックラインに23.6を合わせました。
そうしたところ、
トレンド転換で意識されやすい38.2で価格の戻し下げが止まっていることがわかります。
(ヒゲでは抜けていますが、ロウソク足実体はとめられています。)
以下は、上記のユーロドル1時間足チャート画像のその後です。
フィボナッチ23.6と38.2の間をレンジになり、
23.6を上抜けることで再びアップトレンド方向に価格が動いています。
Wトップのネックラインを下抜けて、一旦フィボナッチ38.2の価格まで下げたことで、
再びアップトレンド方向に相場が動くだけの戻しをつけたという相場状況と説明できます。
(その後、相場は上抜けてアップトレンド継続となっています。)
このようにフィボナッチリトレースメントを値動きに合わせて引き直すことで、
価格の一定タームでの戻り目安として使えます。
トレンド反転の初動を見ていける
フィボナッチリトレースメントの引き直しは、
トレンド反転の小さい初動を見れるメリットがあります。
トレンド転換の初動のレジサポになりやすい「23.6」と、
次のレジサポになりやすい「38.2」を主に見ていくことで、
大きくとったフィボナッチ比率では測れない押し戻りを捉えることができます。
エントリーを早くすることができたり、
短期足でのトレードで役立つと思います。
リスクも理解していく
フィボナッチリトレースメントを小さく引き直すことで、
通常のフィボナッチ比率より「ダマシになりやすいリスク」もあります。
より多くの市場参加者が見ているフィボナッチ数とずれることで、
フィボナッチラインを見ている市場参加者が少なくなるからです。
基本的にはフィボナッチリトレースメントを使うトレードは、
フィボナッチが引きやすい相場でトレードする方が有効です。
(重要な高値・安値が明確な相場状況で引くのが基本です。)
フィボナッチの引き直しは、
他のトレード要素と組み合わせての応用手法(苦肉の策)として使っていきます。
フィボナッチ比率を理解して応用していく
フィボナッチ比率は、戻りを図るフィボナッチリトレースメント以外でも色々な場面で使えます。
フィボナッチ比率の基本的な概念を理解しておくと便利です。
花びらの形とかもフィボナッチ比率になっているといいますし、
自然界の様々な箇所でフィボナッチ比率が使われているというわけなので。
フィボナッチリトレースメントをチャート上で複数引いてみて、
ラインが重なるところが強いレジサポとして機能しやすい傾向もあります。
(オーバーラッピングフィボ)
また、一度トレンド転換したら一旦フィボナッチ38.2までは相場が進みやすい特性も使えます。
そういった部分を色々理解していくと、応用しやすくなっていくと思います。
フィボナッチを使ったトレード教材
- 赤本FX(笹田喬志)
FXユーチューバーとしても活躍されているササッチさん(笹田喬志)のフィボナッチトレードロジック教材。
鉄壁FXの書籍も出版されましたし。
これをマスターできると、トレンド反転手法が得意になると思います。
フィボナッチ・リトレースメントを活用した手法教材。
コメント
ナオトさん、はじめまして。有益な情報ありがとうございます。
フィボナッチを使いだしているのですが、なかなかしっくりこなかったので勉強させていただきます。
これからも有益な記事を宜しくお願いします。
ユカリさん、コメントありがとうございます!
この記事はフィボナッチリトレースメントの応用的な見方なので、無理なく基本的な使い方からマスターされてくださいね!
あざます!