1トレード時の損切による損失リスクを、
証拠金総額のパーセンテージで決めておく資金管理方法があります。
予めそのトレードで損切りした際の損失額、
及び証拠金全体からの減少幅を一定にすることで、
資金の増減を安定化させる狙いがあるやり方です。
また、
損切時の損失パーセンテージを一定化することで、
トレード時のメンタル負担を軽減させられる狙いもあります。
毎回のトレードリスクを、%(パーセンテージ)で一定化をしていきます。
基本的には証拠金額(主に円換算)からのパーセンテージとなるので、
トレードごとのロット数も証拠金額に応じて換えていきます。
毎回一定のポジションサイジングでトレードすることで、
長期的に安定した資金の増減が期待できます。
クロス円だとシンプルですが、
ドルストレートやユーロクロス・ポンドクロス等だと少しややこしい計算式になります。
計算式とロット数の例を挙げておきます。
ポジションサイジング、計算式
まとめます。
ロット数計算の手順
証拠金額の3%を1トレードの損失リスクとして計算手順を挙げます。
- 証拠金残額 × 0.03(3%リスクの場合) = 1トレードの許容リスク額
- 損切幅のPIPS数を出す
- 「1トレードの許容リスク額」÷「損切幅のPIPS数」×100=ロット数
- クロス円以外:基本ロット数 ÷ 通貨ペアの右側通貨の円価格係数(100円を1) = ロット数
(証拠金額例:180万円 × 0.03 = 54000円 )
(仮に44PIPSとする)
(12万2727通貨でトレード、1pips動くごとに1227円程度が上下。44pipsでおよそ54000円の計算)
クロス円であれば、このロット数そのままでOK
クロス円以外は、以下の円換算係数で更にロット数を出す
クロス円以外の通貨ペアの場合、「取引通貨ペアの右側の通貨」の円換算時の係数で割る
(その通貨と円の価格でロット数を割って出す)
(100円を1として)
100000 ÷ 0.95 = 105263 (10万5263通貨・1.05263ロット)
例:ポンド円が170円、ユーロポンドでトレード(基本ロット数12万通貨・1.2ロット)
120000 ÷ 1.7 = 70588 (7万588通貨・0.70588ロット)
基本となる知識
- MT4(海外口座)の1ロット:10万通貨(例外設定あり)
- ドル円・クロス円の場合:1ロット(10万通貨)で1PIPS動くごとに、1000円が上下
- ドルストレートの場合:1ロット(10万通貨)で1PIPS動くごとに「1000円 × ドル円係数 (ドル円価格 × 0.01)」が上下
(1万通貨(0.1ロット)で、1pips動くと、100円上下)
(1万通貨(0.1ロット)で、1pips動くと、「100円×ドル係数(例:1ドル138円として、1.38等→138円)」上下)
ユーロクロス・ポンドクロス等の場合は、それぞれ円とその通貨の係数で計算していきます。
%ポジションサイジングでのロット数 計算式
例:20000円 ÷ 20pips × 100 = 100000(10万通貨・1Lot)
(1トレードリスク 2万円、損切幅20pipsの場合)
ドル円・クロス円以外の通貨ペアの場合は、
この値に「取引通貨ペアの右側の通貨」の円換算時の係数で割ってロット数を算出します。
クロス円のロット計算例
「100万円証拠金で3%リスクのトレード」の場合
- [ロスカット幅30PIPSの場合]
- [ロスカット幅50PIPSの場合]
- [ロスカット幅100PIPSの場合]
30000円 ÷ 30 × 100 =100000 (10万通貨・1ロット)
30000円 ÷ 50 × 100 =60000 (6万通貨・0.6ロット)
30000円 ÷ 100 × 100 =30000 (3万通貨・0.3ロット)
ドルストレートのロット計算例
現在のドル円のレート、仮にドル円が 1 ドル=110 円なら基本の値を 1.1 で割ります(100÷110)。
つまり 50000÷1.1=45454(通貨)
4.5 万通貨(0.45lot)でのエントリーになります。
「100万円証拠金で3%リスク(3万円)のトレード」の場合で、1ドル140円、ドルストレート例
- [ロスカット幅30PIPSの場合]
- [ロスカット幅50PIPSの場合]
- [ロスカット幅100PIPSの場合]
30000円 ÷ 30 × 100 =100000 (10万通貨・1ロット)
100000 ÷ 1.4 = 71428 (7万1428通貨・0.71428ロット)
30000円 ÷ 50 × 100 =60000 (6万通貨・0.6ロット)
60000 ÷ 1.4 = 42857 (4万2857通貨・0.42857ロット)
30000円 ÷ 100 × 100 =30000 (3万通貨・0.3ロット)
30000 ÷ 1.4 = 21428 (2万1428通貨・0.21428ロット)
オージー系のロット計算例
現在のオージードルのレート、仮にオージー円が 93 円なら基本の値を 0.93で割ります(100÷0.93)。
つまり 50000÷0.93=53763 (5万3763通貨・0.53763ロット)
5.3 万通貨(0.53 lot)でのエントリーになります。
「100万円証拠金で3%リスク(3万円)のトレード」の場合で、オージー円が95円、オージークロス例
- [ロスカット幅30PIPSの場合]
- [ロスカット幅50PIPSの場合]
- [ロスカット幅100PIPSの場合]
30000円 ÷ 30 × 100 =100000 (10万通貨・1ロット)
100000 ÷ 0.95 = 105263 (10万5263通貨・1.05263ロット)
30000円 ÷ 50 × 100 =60000 (6万通貨・0.6ロット)
60000 ÷ 0.95 = 63157 (6万3157通貨・0.63157ロット)
30000円 ÷ 100 × 100 =30000 (3万通貨・0.3ロット)
30000 ÷ 0.95 = 31578 (3万1578通貨・0.31578ロット)
ポンド系のロット計算例
現在のポンド円のレート、仮にポンド円が 166 円なら基本の値を 1.66で割ります(100÷1.66)。
つまり 50000÷1.66=30120 (3万120通貨・0.30120ロット)
3.1 万通貨(0.3 lot)でのエントリーになります。
「100万円証拠金で3%リスク(3万円)のトレード」の場合で、ポンド円が169円、ポンドクロス例
- [ロスカット幅30PIPSの場合]
- [ロスカット幅50PIPSの場合]
- [ロスカット幅100PIPSの場合]
30000円 ÷ 30 × 100 =100000 (10万通貨・1ロット)
100000 ÷ 1.69 = 59171 (5万9171通貨・0.59171ロット)
30000円 ÷ 50 × 100 =60000 (6万通貨・0.6ロット)
60000 ÷ 1.69 = 35502 (3万5502通貨・0.35502ロット)
30000円 ÷ 100 × 100 =30000 (3万通貨・0.3ロット)
30000 ÷ 1.69 = 17751 (1万7751通貨・0.17751ロット)
ユーロ系のロット計算例
現在のユーロ円のレート、仮にユーロ円が 144 円なら基本の値を 1.44で割ります(100÷1.44)。
つまり 50000÷1.44=34722 (3万4722通貨・0.34722ロット)
3.4 万通貨(0.34 lot)でのエントリーになります。
例:「100万円証拠金で3%リスク(3万円)のトレード」の場合で、ユーロ円が139円、ユーロクロス例
- [ロスカット幅30PIPSの場合]
- [ロスカット幅50PIPSの場合]
- [ロスカット幅100PIPSの場合]
30000円 ÷ 30 × 100 =100000 (10万通貨・1ロット)
100000 ÷ 1.39 = 71942 (7万1942通貨・0.71942ロット)
30000円 ÷ 50 × 100 =60000 (6万通貨・0.6ロット)
60000 ÷ 1.39 = 43165 (4万3165通貨・0.43165ロット)
30000円 ÷ 100 × 100 =30000 (3万通貨・0.3ロット)
30000 ÷ 1.39 = 21582 (2万1582通貨・0.21582ロット)
株価・指数CFDのロット数計算式
こちらでは海外FX業者「XM」での株価・指数・CFDのロット数計算式を記載します。
(ブローカーによって単位が違ったりするので、それぞれ確認が必要です。)
US30 CASH(ダウ平均株価指数)
「US30 CASH」ダウ平均株価指数(XMでスプレッド10前後)
[XM スタンダード口座]
US30は、レバレッジ100倍
必要証拠金 41641円(1ロット)
(リスク金額・円) ÷(損切幅・0.01ドル) ÷ (ドル円価格指数) = (ロット数)
計算例
30000(リスク金額・円) ÷ 10000(損切幅) ÷ 1.47(ドル円147円として価格指数) ≒ 2(ロット数)
逆算計算式
30000(損切額) ≒ 変動幅10000(100.00) × (ドル円指数1.47 × 2(ロット数))
US30価格変動:31922.71 → 32104.13 (値幅+181.42ドル・日本円でプラス26531円(18142 × 1.47))
逆算計算式
利益・26531円 = 変動幅181.42ドル(18142) × ドル円指数1.47 × 1(ロット数)
US30価格変動:31984.16 → 32138.82 (+154.66ドル・+11411円 (15466 × 0.74(ドル円147円の指数 1.47×0.5)
BUY 0.5(ロット数)
利益・11411円 = 変動幅154.66ドル(15466) × (ドル円指数(1.47)× 0.5ロット)
31983.12 → 32138.82 (+155.7ドル ・+46245円 (15570 × 2.94(ドル円147指数 1.47×2.0)
損切額46245円 ÷ 15570(損切までのドル価格差) ÷ 1.47(ドル円指数) ≒ 2(ロット数)
US100 cash(ナスダック)
「US100 cash」ナスダック
[XM スタンダード口座]
US100は、レバレッジ100倍
必要証拠金 15823 円(1ロット)
(リスク金額・円) ÷(損切幅・0.01ドル) ÷ (ドル円価格指数) = (ロット数)
計算例
30000(リスク金額・円) ÷ 10000(損切幅) ÷ 1.47(ドル円147円として価格指数) ≒ 2(ロット数)
逆算計算式
30000(損切額) ≒ 変動幅10000(100.00) × (ドル円指数1.47 × 2(ロット数))
6528円(リスク金額・円) ÷ 1476 ÷ 1.47 ≒ 3 (ロット数)
6528円(損切額) ≒ 変動幅1476(14.76) × (ドル円指数1.47 × 3.0(ロット数)
US500 cash(S&P 500)
US500 cash(S&P 500) XMでスプレッド40とか
US100は、レバレッジ100倍
必要証拠金 5190 円(1ロット)
(リスク金額・円) ÷(損切幅・0.01ドル) ÷ (ドル円価格指数) = (ロット数)
計算例
30000(リスク金額・円) ÷ 10000(損切幅) ÷ 1.47(ドル円147円として価格指数) ≒ 2(ロット数)
逆算計算式
30000(損切額) ≒ 変動幅10000(100.00) × (ドル円指数1.47 × 2(ロット数))
米国株価の計算は、基本的に同じ。
7853円(リスク金額・円) ÷ 5327 ÷ 1.47 ≒ 1 (ロット数)
7853円(損切額) ≒ 変動幅5327(53.27) × (ドル円指数1.47 × 1.0(ロット数)
JP225 cash(日経平均株価)
JP225 cash(日経平均株価)
JP225は、レバレッジ200倍
必要証拠金 131円(1ロット)
(リスク金額・円) ÷(損切幅価格) = (ロット数)
日経平均株価は、日本円ベースなので計算もシンプル。
計算例
30000(リスク金額・円) ÷ 100円(損切幅) = 300(ロット数)
‐143円 = 変動幅143 × ロット数1.0
-1080円 = 変動幅36 × ロット数30
GOLD(金)
GOLD(金) スプレッド30くらい。
GOLD(金)は、レバレッジ1000倍
必要証拠金 24121 円(1ロット)
(現時点価格 × ロット数 × コントラクトサイズ ÷ レバレッジ = 必要証拠金)
(※GOLDのコントラクトサイズは100オンス)
(リスク金額・円) ÷(損切幅・0.01ドル) ÷ (コントラクトサイズ) ÷ (ドル円価格指数) = (ロット数)
貴金属はコントラクトサイズがあるので、損益も証拠金額もより注意。
計算例
156425円(リスク金額・円) ÷ 1061 ÷ 100(コントラクトサイズ) ÷ 1.47 ≒ 1 (ロット数)
39831円(リスク金額・円) ÷ 90 ÷ 100 ÷ 1.47 ≒ 3
OIL(原油)
OIL(WTI原油) XMはスプレッド3くらい
OIL(原油)は、レバレッジ66.7倍
必要証拠金 17777 円(1ロット)
(現時点価格 × ロット数 × コントラクトサイズ ÷ レバレッジ = 必要証拠金)
(※OILのコントラクトサイズは100バレル)
(リスク金額・円) ÷(損切幅・0.01ドル) ÷ (コントラクトサイズ) ÷ (ドル円価格指数) = (ロット数)
計算例
10173円(リスク金額・円) ÷ 69 ÷ 100(コントラクトサイズ) ÷ 1.47 ≒ 1 (ロット数)
2213円(リスク金額・円) ÷ 5 ÷ 100 ÷1.47 ≒ 3
BTCUSD(ビットコイン・ドル)
BTCUSD(ビットコイン・ドル) スプレッドかなり広い
BTCUSDは、レバレッジ250倍
必要証拠金 11095 円(1ロット)
(現時点価格 × ロット数 × コントラクトサイズ ÷ レバレッジ = 必要証拠金)
(※BTCUSDのコントラクトサイズは1)
(リスク金額・円) ÷(損切幅・0.01ドル) ÷ (コントラクトサイズ) ÷ (ドル円価格指数) = (ロット数)
BTCはスプレッド広いので、ロット上げるとエントリーした瞬間に含み損が大きい。
計算例
-82836(リスク金額・円) ÷ 56188 ÷ 1(コントラクトサイズ) ÷ 1.47 ≒ 1 (ロット数)
-7851(リスク金額・円) ÷ 1063 ÷ 1 ÷ 1.47 ≒5.0
%でのポジションサイジング計算まとめ
ややこしいので、慣れるまでは頑張って計算式に慣れていく。
慣れてきたら、パパっとできるようになろうぜ。
特に、
株価・指数・CFDとかは、MT4だとドルと円の関係がややこしすぎる…
計算機が必須ですね。
また、
計算式の概念がわかったら、自動計算ツール使うのが楽かもです。
計算式の概念は理解しておかないと、
とんちんかんなロット数を知らずにエントリーするリスクあるので気を付けて。
そんなところで。
自動計算サイトもある
数値を入れると、自動で%表示してくれるサイトツールもある。
- ロット計算・資金管理ツール
- ウェブサイト用の無料FXウィジェット
- 外国為替計算機
WEBブラウザ上でロット数計算できる。これは便利なサイト
(様々なトレード計算ツール)
XM関連のサイト、ポジションサイズ計算や色々ツールある。
TradingViewでチャート上で計算できるツールがあった!
なんと!TradingViewのチャート上でリスクリワード比から、
%でのロット数計算まで自動で表示できる損益比率の計算ツールがありました。
以下、解説動画。
ただ、「口座サイズ」表示がその通貨ペアの末尾通貨単位になるので、
ドル円・クロス円以外は証拠金額を
日本円からその通貨ペア単位に換算して記入する必要あり。
(2023年10月8日現在)
お、惜しい…
ポジションサイジングの関連記事
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- FXトレードの資金管理法ルール(個人的なやり方)
- ポジションサイジング・ロット数例
(自分用に証拠金額・リスク%・ロット数の例をババ―っと)
コメント
自動で計算できるツールとかwebサイトとか、あったら便利ですね…
その時々の通貨価格を自動反映させて計算してくれるやつ。
あったので、記事最後にリンクしておきました。
ただ、
けっこうわかりにくいので、使い方に慣れないといけないかもですね。
資金量の%でロット数算出していくと、
コツコツドカンで1トレードで大負けするリスクが軽減されます。
ルール通りやってれば、コツコツドカン脱却ですね。
毎回計算するので、
ひと手間かかることでポジポジ病リスクも軽減されると思いますし。